研究課題/領域番号 |
22K05099
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
長光 亨 北里大学, 薬学部, 教授 (90300756)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 位置選択的なヨード環化反応 / Fusaricide / フロピリドン / ピラノピリドン / 2-pyridone 型 / 4-pyridone 型 |
研究実績の概要 |
Fusaricideの不斉全合成研究に着手するため、まずは申請者が開発した位置選択的なヨード環化反応の基質適応性の拡大を検討した。本反応は、基質として3位にアリル基、5位にフェニル基を有する 4-hydroxy-2-pyridone体を用いてヨード環化反応を行った場合、反応系中の塩基の有無により、2-pyridone 型や 4-pyridone 型のフロピリドンを位置選択的に構築できるというものであった。しかし、5位が水素原子であるfusaricideのような天然物も多く存在していることから5位がフェニル基以外の官能基を有する基質を用いた場合に申請者が開発したヨード環化反応が適切に機能するかどうか、そして3位にホモアリル基を有する基質に対して本ヨード環化反応を適応した場合、位置選択的に2-pyridone 型や 4-pyridone 型のピラノピリドン骨格の構築が達成できるのかどうかを検討することにした。 本反応は、基質の5位に置換(フェニル)基を有する 4-hydroxy-2-pyridone体が最安定配座であること、2)4位ヒドロキシ基のpKaが最も高く、周辺が立体的に混んでいること、などが位置選択的なヨード環化反応の鍵と考えていることから、5位周辺の立体障害を大きく保つために、後で水素原子に戻せる嵩高い置換基として、ヨード基やシリル基を導入した新たな基質に対する位置選択的なヨード環化反応を検討することにした。両基質の合成に着手したが、シリル基を有する基質の合成は困難であったため、5位にヨード基を有し、3位にアリル基やホモアリル基を有する 4-hydroxy-2-pyridone体を合成して、ヨード環化反応を試みた。その結果、期待通り塩基の有無により、位置選択的に2-pyridone 型や 4-pyridone 型のピラノピリドン骨格を構築することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、研究は進んでいる。本結果は、今後の目標である、位置選択的なヨード環化反応を鍵反応としたピラノピリドン骨格を有する天然アルカロイド fusaricide の不斉全合成にとって非常に有用な知見であり、是非本目的を達成したいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
Fusaricideの全合成研究を進める。現在大学院生1名と共に研究を進めており、モデル基質を用いて鍵中間体の類縁体であるラクトン体の合成までを達成している。今後は、真の基質を用いて鍵反応であるTi(III) 種を用いたラジカル環化反応を行い、真の鍵中間体を合成する。これが達成でき次第、現在までに得られた知見を応用して、位置選択的なヨード環化反応を試み、fusaricide の不斉全合成を達成していきたいと考えている。今後の推進方策として、進行が芳しくない場合は、学生の増員により、当初の期間内に本研究が完結するようにしていくことも考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
おおむね当初の予定通り研究は進行したものの、一部詳細な検討ができなかった部分もあった。そのため、支出が幾分少なくなった。しかしながら、この若干の遅れは十分に補える範囲であり、次年度に早急に検討していく予定である。
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