研究課題/領域番号 |
22K05128
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大竹 研一 京都大学, 高等研究院, 特定拠点助教 (20834823)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 多孔性配位高分子 / 触媒 / 複合材料 / ナノ空間化学 / 構造柔軟性 / in situ測定 |
研究実績の概要 |
異なる多孔性配位高分子(PCP)同士の機能を協同的に発現させるような設計指針は未だに開発途上にあり、PCP-on-PCP型複合体による触媒特性の研究自体が現時点で殆ど知られていない。本申請研究では、異なるPCPドメインの共同的な機能連携による、高機能なPCP触媒の開発を行うことを目指した。2023年度は、昨年度に引き続きPCP単体でのゲスト濃縮特性、ゲスト選択機能、及び触媒特性の開拓を目指し、複数の成果が得られている。Redox活性を有するナフタレンジイミド(NDI)をベースとした配位子を利用して半導体特性を有するPCPを設計したところ、非常に高い熱安定性と化学的安定性を持つ一連の同系構造のPCP群の開発に成功した。このPCP群では、金属種の選択によるπスタッキング距離の制御が可能であった。同材料は、水中でNOxの還元触媒としても高い活性を有することが分かり、in situ測定を含めた機構解明を行い報告を行った(Chemistry of Materials, in press, 2024 (DOI = 10.1021/acs.chemmater.3c03222); Angew. Chem. Int. Ed., in press, 2024 (DOI=10.1002/anie.202401005))。今後、開発したPCP触媒を基盤として、他のPCPとの複合化によるさらなる高機能化を目指していく予定である。また、ポルフィリン部位を骨格に有するPCPとアミノ基を置換基として有する配位子から構築したPCPを組み合わせて、階層的な構造を持つPCP-on-PCP複合体の合成を行ったところ、CO2の光触媒還元特性がそれぞれ単体のPCPに比べて向上できることを見出した。今後、この機構解明に取り組むとともに、さらなる反応の効率化に取り組む予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、昨年度に引き続きPCP単体でのゲスト濃縮特性、ゲスト選択機能、及び触媒特性の開拓を目指し、複数の成果が得られた。Redox活性を有するナフタレンジイミド(NDI)をベースとした配位子を利用して半導体特性を有するPCPを設計したところ、非常に高い熱安定性と化学的安定性を持つ一連の同系構造のPCP群の開発に成功した。このPCP群では、金属種の選択によるπスタッキング距離の制御が可能であった。同材料は、水中でNOxの還元触媒としても高い活性を有することが分かり、in situ測定を含めた機構解明を行い報告を行った(Chemistry of Materials, in press, 2024 (DOI = 10.1021/acs.chemmater.3c03222); Angew. Chem. Int. Ed., in press, 2024 (DOI=10.1002/anie.202401005))。また、PCP-on-PCP型の複合体の開発にも取り組み、光触媒特性の向上できることを見出した。
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今後の研究の推進方策 |
異なる多孔性配位高分子(PCP)同士の機能を協同的に発現させるような設計指針は未だに開発途上にあり、PCP-on-PCP型複合体による触媒特性の研究自体が現時点で殆ど知られていない。本申請研究では、異なるPCPドメインの共同的な機能連携による、高機能なPCP触媒の開発を行うことを目指している。最終年度である本年度においては、前年度までに開発したPCPを基盤にその複合化や集積を通して、さらなる高機能化に取り組む。また、in situやoperando測定を行い、その詳細な機構解明を行い、構造相関についての詳細な知見を得ることを目指す。こうした知見は、異なる機能を持つPCPを集積する技術や高機能触媒開発のための基盤技術ともなるため、将来の様々な材料開発に大きな波及的な影響をもたらすと期待している。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由として、物価の変動により、購入予定物品の数に調整が必要であったことが挙げられる。試薬等の物品費に使用する予定である。
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