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2022 年度 実施状況報告書

蛍光X線分析法によるマイクロプラスチック中微量金属の精密定量法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K05159
研究機関麻布大学

研究代表者

中野 和彦  麻布大学, 生命・環境科学部, 准教授 (40373021)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード蛍光X線分析 / マイクロプラスチック / 微量元素 / EDX
研究実績の概要

現在、マイクロプラスチックによる環境汚染は、そのもの自体はもちろん、それに付着する金属汚染として、日本のみならず国際的にも重要な環境問題である。プラスチックには、その製造工程の中で様々な添加剤が使用されており、過去には人体に有害な金属元素が使用されていたこともあった。このため、マイクロプラスチックによる金属元素や有害元素の環境負荷を見積もる上でも、マイクロプラスチック中の微量金属元素の定量は重要である。
本研究では、蛍光X線分析法を用いたマイクロプラスチック中微量金属の高精度定量分析手法を確立し、本邦都市域河川~海岸域におけるマイクロプラスチック及びマイクロプラスチックに伴う金属汚染状況の把握を目指す。
蛍光X線分析は、試料に含まれる微量金属元素を非破壊で、迅速・簡便に分析可能であるが、実際のマイクロプラスチック試料は、その形状が一様ではないため、精密な定量が困難である。このため本研究では、試料形状 (厚さ及び試料サイズ) の異なるプラスチック試料における補正方法を検討し、厚さ及び試料直径の補正関数を算出し、この補正関数を用いることで、厚さ 0.5 mm,試料直径 2 mm までのマイクロプラスチックであれば、良好な補正を行うことができた。また、本補正法を 2種類のプラスチック認証標準物質 (ERM-EC680m, ERM-EC681m, ポリエチレン) に適用し、認証元素5 元素 (Cr, Zn, Sb, Pb, Br) の定量を行った結果、各元素の定量値は、認証値に近い値を示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

試作を予定していた、微小部蛍光X線分析装置の開発については、X線集光素子であるポリキャピラリーX線レンズの納期が、当初の見込みよりも大幅に遅れてしまい、2022年度中の装置開発を実施することができなかったため。

今後の研究の推進方策

X線集光素子であるポリキャピラリーX線レンズを搭載した微小部 XRF 装置の試作とマイクロプラスチック中微量金属の高精度・迅速分析法に取り組む。また、都市河川のマイクロプラスチックのサンプリングを行い、マイクロプラスチック量や含有金属濃度の定量的な評価を行う。これらの成果を元に、マイクロプラスチックによる金属汚染状況の実態を解明する。

次年度使用額が生じた理由

試作を予定していた、微小部蛍光X線分析装置の開発については、X線集光素子であるポリキャピラリーX線レンズの納期が、当初の見込みよりも大幅に遅れてしまい、2022年度中の装置開発を実施することができなかったため、予算の一部を次年度に持ち越しを行った。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 可搬型蛍光X線分析装置によるマイクロプラスチック中微量金属元素精密定量法の検討2022

    • 著者名/発表者名
      志村瞬, 新垣達章, 伊藤彰英, 中野和彦
    • 学会等名
      第58回X線分析討論会

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公開日: 2023-12-25  

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