研究課題/領域番号 |
22K05173
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
小崎 大輔 高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 准教授 (60802535)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | クロマトグラフィー / 糖化 / 解糖系 / クエン酸回路 / アルコール発酵 / 中心炭素代謝 |
研究実績の概要 |
本研究では、日本酒の醸造過程における反応(糖化、解糖系、クエン酸回路、アルコール発酵)で生じるオリゴ糖、単糖、有機酸、エタノールの同時分離定量の確立に成功した。スルホ基を有するサイズ排除カラムを用いることにより、オリゴ糖、単糖はサイズ排除作用により、有機酸はイオン排除作用により、エタノールは疎水性相互作用により分離を達成している。上述の研究内容は、既に論文の執筆を終え、RSC(Royal Society of Chemistry)の発行する分析系の専門誌(Analytical Methods)に投稿も済んでいる。(次年度の業績にはなるが、5月23日時点で論文受理となっている。また、同様に、次年度号にはなるが、本論文が表紙として掲載されることが決まっている。) 現在は、本法が中心炭素代謝(日本酒醸造における反応全般)における主要な代謝物の分離定量が可能な手法であることに着眼し、機器の購入、依頼分析ともに高額なメタボローム解析の中心炭素代謝分析パッケージの一部の代替手段として利用可能か否かについて検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究で目標としていた分離の開発を既に達成しており、当該手法の新しい位置付け(中心炭素代謝に関する簡易的な主要メタボローム解析)について模索を始めていることから、本研究は当初の計画以上に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後、本法のより詳細な分析精度確認を目的に、検出器として質量分析装置を接続し、得られているピークと想定していない成分が重複していないかを確認する。その後、必要に応じて、移動相の濃度について再検討し、日本酒醸造における反応(中心炭素代謝)の主要な代謝物の分析法として確立を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和6年度に、これまでに開発された手法の精度確認として、質量分析装置を使用することから、その修理費として、次年度に繰り越す必要が生じたことから、次年度使用額の申請に至った。
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