• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

海洋プラスチックごみ削減に向けた漁網のケミカルリサイクル技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K05190
研究機関静岡大学

研究代表者

岡島 いづみ  静岡大学, 工学部, 准教授 (40436910)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード魚網素材 / ナイロン6 / PET / 水熱処理 / モノマー化
研究実績の概要

海洋プラスチックごみの一因である漁網のケミカルリサイクル技術の確立を目指した、漁網素材プラスチックの分解の解明を目的とし、令和5年度は漁網素材の一つであるナイロン6とポリエチレンテレフタレートに関して、2つの項目について研究を行った。研究項目[1](漁網素材の分解・モノマー化のための触媒探索)では、ナイロン6に関しては、昨年度検討した複数種類の触媒を用いたモノマー化反応に関する反応速度解析について、実験結果からナイロン6→オリゴマー→ε-アミノカプロン酸→ε-カプロラクタムの逐次反応と、ナイロン6からの直接ε-アミノカプロン酸及びε-カプロラクタム生成に加え、ε-アミノカプロン酸とε-カプロラクタムの可逆反応が組み合わされた反応経路を組み立てて反応速度解析を行い、無触媒条件との比較を行った。またポリエチレンテレフタレートについては、均一系、不均一系触媒を用いた効果を検討し、生成物収率に加えて、生成物と触媒との分離回収のしやすさ等も含めた検討を進めることができた。研究項目[2](反応相が漁網素材の分解・モノマー化に与える影響の解明)について、ナイロン6に関しては昨年度実施した過熱水蒸気条件下での分解反応における反応速度解析を行った。この時、反応機構は[1]で示した経路を用いた。一方、ポリエチレンテレフタレートに関しては、反応相の影響として亜臨界水反応場と過熱水蒸気反応場での比較を行い、ポリエチレンテレフタレートに対する反応場と水量とモノマー収率の関係を明らかにすることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究項目[1](漁網素材の分解・モノマー化のための触媒探索)では、ナイロン6に関しては反応速度解析をおおよそ取り纏めることができ、またPETについては当初予定していた触媒に関して大体の検討を実施することができた。また研究項目[2](反応相が漁網素材の分解・モノマー化に与える影響の解明)では、ナイロン6に関しては反応速度解析を取り纏めることができ、PET分解の反応相の影響検討についておおよそ予定通りに遂行することができた。

今後の研究の推進方策

令和6年度は、ポリエチレンテレフタレートの加水分解における反応速度解析と、ナイロン6またはポリエチレンテレフタレートとポリエチレンの共存下となる漁網の水熱処理によるモノマー化の進行について検討を行う。

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi