研究課題/領域番号 |
22K05224
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
落合 文吾 山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (20361272)
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研究分担者 |
西岡 昭博 山形大学, 大学院有機材料システム研究科, 教授 (50343075)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | アクリレート / カーボネート / 物理架橋 / 強靭化 |
研究実績の概要 |
環状カーボネート構造を持つモノマーである1,3-ジオキソラン-2-オンイルメチルメタクリレートと汎用メタクリレートであるエチルヘキシルメタクリレートとメタクリル酸メチルの三元バルク共重合による強靭ポリマーフィルムの合成を検討した。従来用いていたラウリルパーオキサイドよりも水素引き抜き能が低い開始剤であるルペロックス575を用いる、ないしは成長反応をほぼ抑制せずに水素引き抜きを抑制する連鎖移動剤であるテルピノレンを加えると、ヤング率を維持しながら破断伸びが向上した。これは一次鎖の成長にはほぼ影響を与えずに、副反応である側鎖からの水素引き抜きを起点とする化学架橋が抑制できたためと考えられる。この際、架橋度に応じてガラス転移温度はほぼ変わらず、検討した仕込み比においては、いずれも約50℃であった。 この化学架橋の抑制は、動的粘弾性において100℃以上に見られるゴム状平坦領域の弾性率から求めた架橋点間分子量の向上から明らかとなった。化学架橋が少ないほうが、赤外吸収スペクトルにおけるカルボニル領域の吸収が低波数にシフトする挙動が見られ、分子運動性の向上が双極子ー双極子相互作用による化学架橋の形成を有利とすることが示唆される。 また、重合温度、および重合後の後硬化の条件も架橋挙動に大きく影響し、特に100℃などの高温での後硬化は、化学架橋を大きく促進してしまうことから、中温程度で長時間の後硬化を進めるのが有効であることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
五員環カーボネート含有ポリメタクリレートでの化学架橋抑制方法がほぼ明らかとなった。また、この化学架橋の抑制が、双極子ー双極子相互作用を強める傾向にあることもわかり、メカニズムの解明が順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
五員環カーボネート含有ポリメタクリレートのさらなる架橋構造制御と物性評価を進める。さらにポリオレフィンへの五員環カーボネート構造の導入に向けたモデル系の検討を開始しており、炭化水素中での五員環カーボネートの集合挙動を明らかにするとともに、物理架橋構造の形成に向けた基礎検討を行う。
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