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2023 年度 実施状況報告書

イオン-電子混合伝導薄膜材料の構築と両伝導性の相関の探究

研究課題

研究課題/領域番号 22K05257
研究機関公益財団法人相模中央化学研究所

研究代表者

磯田 恭佑  公益財団法人相模中央化学研究所, その他部局等, 主任研究員 (20568620)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード電子–イオン混合伝導体 / 電子輸送 / ジアセチレン / 超分子化学 / 自己組織化
研究実績の概要

エチレンオキシド (EO) とポリジアセチレン (PDA)からなる電子とイオン混合伝導体 (EO-PDA) による高速イオン伝導材料の開発を目的とする。
今年度では、エチレンオキシド (EO) とポリジアセチレン (PDA) からなる電子&イオン混合伝導体の構築 (EO-PDA) と高速イオン伝導材料の構築を目的とした。本申請の分子は、イオン伝導部位のEOと電子伝導部位のPDAで構成される。高分子薄膜EO-PDAの前駆体であるEO-DAは、親水性EO部位、疎水性ジアセチレ ン (DA) 部位および水素結合性部位からなる。薄膜内では、それぞれの部位が配列したナノ相分離構造を形成可能である。その後、光照射による架橋重合により DAが高分子PDAを生成する 。重合されたEO-PDA薄膜内では、イオンおよび電子伝導パスの形成・固定化がなされる。さらに、EO-PDA薄膜は、EO部位で金属イオン M+を捕捉・輸送可能、PDAでは還元型ドープにより電子伝導性のラジカルアニオン種を形成可能である。 従来研究とは異なり、薄膜内での両伝導パスをナノスケールで制御、金属イオンとラジカルアニオン間を同一分子内で近距離に配置できるように材料設計をし ている。正負の電荷の静電的な相互作用は1/(距離)2で働くことから、本系での電子と金属イオンの相互作用が非常に大きくなることは明らかである。その結 果、PDAの主鎖方向の高速の電子伝導はイオン伝導に影響を及ぼすことが可能となり、超高速なイオン伝導が達成されると考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでに、上記目的物質を設計・合成を検討してきた結果、目的分子の合成に成功している。得られた化合物は、薄膜状態で自己組織的に親水性および疎水性部位が各々近接した配列を形成することがXRD測定などを用いることで明らかとなった。また、得られた薄膜は光照射により、薄膜の色が変化し、光照射前後でのIR測定およびRaman測定により、ジアセチレン部位由来のピークに変化が確認されたことから、光照射によりトポロジカル重合が進行していることが示唆された。

今後の研究の推進方策

今後は、これらの薄膜の光学特性および伝導特性について評価を行なっていく予定である。さらには、金属塩との複合化による薄膜内での集合構造の制御や金属 塩の種類による構造への影響や物性への影響などを探索していく。

次年度使用額が生じた理由

来年度に使用する予定である試薬を購入するため

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 産業財産権 (1件)

  • [産業財産権] 芳香族ジイミド化合物からなる発光材料、およびその用途2024

    • 発明者名
      磯田恭佑
    • 権利者名
      磯田恭佑
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      2024-038536

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公開日: 2024-12-25  

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