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2022 年度 実施状況報告書

水溶液プロセスによる三元系銅酸化物半導体の直接成膜

研究課題

研究課題/領域番号 22K05281
研究機関地方独立行政法人大阪産業技術研究所

研究代表者

品川 勉  地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 森之宮センター, 主任研究員 (50416327)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード水熱合成 / 三元系酸化物
研究実績の概要

CO2削減に向けて、再生可能エネルギーによるエネルギー創出技術の開発が国内外で活発化し、有望な半導体材料の探索・応用も加速的に進められている。銅とコバルト、あるいは銅と鉄という銅をベースとする三元系酸化物は、すぐれた半導体特性をもち、太陽電池や光電極応用で有望な酸化物としてレビュー論文等で期待されている。しかしながら、その成膜法は、高温・真空条件下の気相成長法または高温熱処理を要する湿式成膜法に限定されており、低温かつ簡便な成膜法がないため、応用研究への展開が停滞している課題がある。
そこで本研究では、以前の科研費研究で見い出した「水熱析出法」による銅-鉄系酸化物結晶膜の直接成膜技術を確立すること、およびその他の三元系銅酸化物半導体の創出を目的とし、さらに太陽電池や光電極への応用に資するp型三元系酸化物半導体の実現に向けて、酸化物組成制御や同定・評価を行い、成膜条件と半導体物性の相関を明らかにすることを目指している。
本年度は、銅-コバルト系酸化物合成の条件探索、および銅-鉄系酸化物の析出機構について検討した。特に銅-鉄系酸化物合成における、水熱反応温度や反応時間が析出膜に与える影響をX線回折測定、ラマン測定、IR測定、XPS測定、FESEM観察を実施して詳細に調べた結果、反応温度が約150度、反応時間は1時間程度で膜厚約2.1マイクロメートルの銅-鉄系酸化物膜が得られることがわかった。また、得られた多結晶膜は優先成長方位をもち、バンドギャップエネルギーは1.48eV、P型伝導性をもつエネルギーバンド構造を示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画どおり、銅-鉄系酸化物膜の析出機構を詳細に調べることができた。

今後の研究の推進方策

三元系銅酸化物の析出条件探索と、銅-鉄系酸化物膜の物性制御に向けて研究を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

効率的に実験を進めた結果、当初の予定ほど使用しなかった。
翌年度も目標達成に向けて、計画的かつ効率的に進めていきたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Oriented growth of stacking α-cobalt hydroxide salt continuous films and their topotactic-like transformation to oriented mesoporous films of Co<sub>3</sub>O<sub>4</sub> and CoO2023

    • 著者名/発表者名
      Shinagawa Tsutomu、Kotobuki Natsuko、Ohtaka Atsushi
    • 雑誌名

      Nanoscale Advances

      巻: 5 ページ: 96~105

    • DOI

      10.1039/D2NA00594H

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 層状水酸化物のトポタクティック変換による配向ナノポーラス酸化コバルト膜の形成2022

    • 著者名/発表者名
      品川勉、壽夏子、大高敦
    • 学会等名
      電気化学会
  • [備考] 大阪産業技術研究所ホームページ

    • URL

      https://orist.jp/kenkyu-bu/denshi-zairyo/sat/

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公開日: 2023-12-25  

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