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2022 年度 実施状況報告書

マイクロバッテリーセルの開発と反応分布の対極への影響の評価

研究課題

研究課題/領域番号 22K05292
研究機関公益財団法人高輝度光科学研究センター

研究代表者

片山 真祥  公益財団法人高輝度光科学研究センター, 分光推進室, 主幹研究員 (90469198)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードオペランド / 電池セル / XAFS / 空間分解
研究実績の概要

対極を含めた電極反応の空間分解分析を目的とした、オペランド実験用試験セルの設計及び製作を行った。全視野空間分解XAFS法を両極に適用するため、観察可能な領域を最大で直径12 mmの円形とし、数mm2の微小な電極を固定可能な設計とした。セルの窓材にはポリイミド膜を使用し、膜厚や材質は可変である。セル本体には化学的に安定で蛍光X線の寄与が無視できるPEEKを採用した。電極からの集電用金属線をそれぞれ独立した細穴に通す構造にすることで、再現性良く微小な電極を配置することが可能な設計である。開発したオペランド用電気化学セルでは全視野イメージングXAFS測定が可能であるだけではなく、微小電極を用いても雰囲気制御用グローブボックス内で再現性良く電池を組み立てられる。本年度はセルの設計及び試作・改良を繰り返し行い、シール材を含め使用している材料が一般的なLIB系で漏出・溶解を起こさないこと、充放電が正常に行えることを確認した。全視野イメージングXAFSは非集光X線が利用できるXAFSビームラインで実施可能であるが、本研究では広いエネルギー領域のXAFS測定が可能なSPring-8 BL01B1を主に用いる計画である。BL01B1は通常ミラーにより鉛直方向に集光したビームを用いるビームラインであるが、下流側ミラーをフラットにすることで平行光を用いた実験が可能である。本年度は利用できるビームの最大サイズとビーム内のエネルギー分布を評価し、標準試料を用いて全視野イメージングXAFSによる反応分布解析の予備実験を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究代表者の異動により、申請時点の計画と研究環境が異なるため若干の環境整備が必要であった。また、昨今の情勢によりOリングをはじめとする部材の入手が困難であり、納期によるスケジュールの変更やセル仕様の変更を余儀なくされた。

今後の研究の推進方策

研究計画の通り、製作したセルを用いて対極を含めた反応分布解析を進める。ただし、実験によりセルの構造や仕様に不具合が生じた場合には都度、改良を重ねて最適化を図る。対象とする電池系については解析結果に応じて検討する。

次年度使用額が生じた理由

納期が原因で部材の見直しが生じたため。次年度に電池消耗品材料の購入を進める。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Hard X-Ray XAFS Beamlines (BL-3, 4 and 5) of SR Center2022

    • 著者名/発表者名
      Misaki Katayama and Yasuhiro Inada
    • 雑誌名

      Mem. SR Center Ritsumeikan Univ.

      巻: 24 ページ: 61-71

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] リチウムイオン電池LiFePO4/LiTi5O12フルセルにおける不可逆反応機構の解明2023

    • 著者名/発表者名
      村岡諒、表勇毅、片山真祥、鐘承超、折笠有基
    • 学会等名
      第36回日本放射光学会年会・放射光科学合同シンポジウム
  • [学会発表] Analysis of Irreversible Charge-discharge Capacity of LiFePO4-Li4Ti5O12 Full-cell2022

    • 著者名/発表者名
      Ryo Muraoka, Yuki Omote, Misaki Katayama, Chengchao Zhong, Yuki Orikasa
    • 学会等名
      Asian Conference on Electrochemical Power Sources 11 (ACEPS11)
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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