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2023 年度 実施状況報告書

植物シグナル伝達タンパク質の化学合成研究とタンパク質プローブ開発への応用

研究課題

研究課題/領域番号 22K05312
研究機関名古屋大学

研究代表者

大石 俊輔  名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 特任助教 (80707795)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードタンパク質化学 / ペプチド化学 / ケミカルバイオロジー / 有機合成化学
研究実績の概要

本研究ではタンパク質の化学全合成と修飾タンパク質の迅速合成によって、生命科学研究に適したタンパク質プローブの開発を効率化することを目的とする。化学全合成の技術によって、構造が均一かつ明確なタンパク質を得ることができる。特に本研究では生物学的手法では合成が困難なシステインリッチタンパク質(CRP)を標的とする。CRPは抗菌作用、神経毒性、脂質輸送など様々な機能を持つタンパク質ファミリーであり、植物ではシグナル伝達物質として多くの生理作用の鍵となる。構造的には複数のシステイン残基を持ち、分子内ジスルフィド結合によって立体構造を形成する。
本年度は、前年度に開始した2つのCRPの合成研究に継続して取り組んだ。これまでのCRP合成の知見を活かして、抗菌CRPはフォールディングの条件について検証を行った。生物活性の確認と立体構造(特にジスルフィド結合の組み合わせ)の解明にも取り組んでいる。さらに誘導体合成と構造活性相関研究も進行中である。将来的には農業への応用を目指す予定である。そのため、より実践的な投与方法の開発も必要である。より大きなスケールでの合成法の確立にも取り組む予定である。
生殖関連CRPは各ペプチドセグメントの合成最適化研究を中心に行った。3つのセグメントの最適化を並行して行うことで早期に合成法の確立を目指す。今後は最適化した合成法によって合成した各セグメントを連結し、合成の達成を目指す予定である。合成したCRPは生物活性評価によってその機能と構造を確認する計画である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでの研究で蓄積した合成ノウハウを活用して、新たなCRPの合成にも挑戦している。ジスルフィド結合形成反応の条件の確立など着実に合成が進捗している。機能と構造の解明を行うための準備を整えることができた。

今後の研究の推進方策

抗菌CPRペプチドは、機能と構造の解明とさらには構造活性相関研究を行う予定である。生殖関連CRPは合成法の確立と生理活性の確認を目指す。

次年度使用額が生じた理由

化学合成実験に必要な消耗品代としての使用を計画している。次年度は多くの誘導体の合成を行うことが想定されるため、より多くの消耗品が必要なると予想している。高価な非天然アミノ酸試薬の必要性や分取用カラムの不具合など、必要に応じた柔軟な対応を適正に行う予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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