現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
前年度は、RNA結合性低分子NCDを用いて環状RNA生合成促進のPOCをとり、査読論文を発表した。(Chem. Commun., 2022, 58, 3629-3632)本年度は、同様のコンセプトを異なるモダリティであるアンチセンスオリゴヌクレオチドで調査した。環状RNA(circZKSCAN1)を産生するモデルpre-mRNAを発現するプラスミドをトランスフェクトしたHeLa細胞を使用し、環状化エキソンの上流と下流に隣接するイントロンを水素結合によって架橋するオリゴヌクレオチド(CLIP-ON)をデザインした。CLIP-ONの細胞への投与によるcircZKSCAN1合成量の有意な増大をRT-qPCRを用いて確認した。架橋構造の形成はnative-PAGE、Tm、ITCおよびSPR実験で確認した。活性を示したアンチセンスの解離定数は10 nM程度で、CLIP-ONの結合強度と相関があることも確認した。本研究成果は今年度英語査読論文で発表した。(Sci. Rep., 2024, 14, 8096.) 昨年度に申請した本研究の国内特許は、今年度に学内審査を通過しPCT特許申請に拡張した。
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