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2022 年度 実施状況報告書

海洋天然物を起点とする膵臓ガン選択的増殖阻害剤の創製と薬剤耐性メカニズム解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K05339
研究機関立命館大学

研究代表者

古徳 直之  立命館大学, 薬学部, 准教授 (20362618)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード海洋天然物 / 抗ガン剤 / 作用メカニズム / 膵臓ガン / 創薬化学
研究実績の概要

Aleutianamineの不斉全合成を目指した研究の一環として、本化合物の右半分に相当する、2-aza-8-thiabicyclo[3.2.1]octane骨格の構築に向けた検討を行った。超原子価ヨウ素反応剤を用いた分子内スピロ環化反応と続くジエノンーフェノール転位を用いた環拡大によって七員環を構築した後、再度超原子価ヨウ素反応剤を作用させてジエノン構造へと導き、分子内thia-マイケル付加を経て、天然物とほぼ同様の骨格を有するモデル化合物の合成に成功した。また、天然物と同様のindolequinone誘導体に対しても同様の変換反応が進行するか検討した。
また、makaluvamine Jを基盤とした創薬化学研究を進めるにあたり、makaluvamine Jの全合成経路の開拓に向けた検討を行なった。Bartoliインドール合成による7位置換インドールの構築とIBX酸化、および分子内環化によって、前駆体となるDamirone C誘導体へと導いた後、イミン窒素へのメチル化とチラミン側鎖の導入を経て、makaluvamine Jの全合成に成功した。さらに、本合成経路を種々の誘導体合成へと適用すべく、イミン窒素および側鎖部の誘導化について検討し、非天然型の置換基導入が問題なく進行することを見出し、今後の構造活性相関研究につながる重要な知見を得た。
一方、関連する研究として、超原子価ヨウ素反応剤を用いた新規な酸化的分子内環化反応を見出すとともに、これを用いて、makaluvamine類と類似の三環性骨格を有し、抗潜在性結核活性を示すアルカロイド3-(phenethylamino)demethyl(oxy)aaptamineの全合成を達成した。
以上の成果について、学会発表および学術雑誌への論文投稿を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

Aleutianamine、makaluvamine Jともに、おおむね当初の計画通りに合成研究が進展し、それぞれ上述の成果を得ることができた。特にmakaluvamine Jについては、各種誘導体の合成を可能とする合成法の確立に成功している。また、得られた化合物の活性評価についても検討を始められる状況が整ったため、研究費の前倒し請求を行い、次年度以降に行う予定だった研究のうち一部についても遂行した。

今後の研究の推進方策

Aleutianamineについては、前年度にモデル化合物を用いた検討で得られた知見を踏まえ、真正の系へ適用し、世界初の不斉全合成に向けて引き続き合成を進める。Makaluvamine Jについては、前年度で確立した合成法を利用して、異なる置換基を有する誘導体を種々合成し、構造活性相関を解析する。

次年度使用額が生じた理由

Makaluvamine Jおよび誘導体の合成研究が当初計画よりも進展があったため、前倒し請求を行い、次年度以降に検討を予定していた研究の一部を今年度に行ったが、そのうち、各種誘導体の合成については、合成原料や合成用試薬類の一部について、makaluvamine Jの合成に利用するために購入したものが余っていて流用できたため、物品費が想定より少額に抑えられた。これを次年度の研究に有効活用し、種々の類縁体について合成および活性評価を行うことで、研究のさらなる進展につなげたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Makaluvamine Jおよび誘導体の効率的合成法の開発2023

    • 著者名/発表者名
      生一庸、石野航也、福岡光志郎、髙田壮太、高岡嵯月、古徳直之
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会
  • [学会発表] 抗腫瘍活性アルカロイドaleutianamineの合成研究2022

    • 著者名/発表者名
      福岡光志郎、髙田壮太、古徳直之
    • 学会等名
      第48回反応と合成の進歩シンポジウム

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公開日: 2023-12-25  

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