研究課題/領域番号 |
22K05341
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研究機関 | 公益財団法人微生物化学研究会 |
研究代表者 |
竹内 倫文 公益財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究所, 研究員 (40516176)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | エネルギー代謝 / 化学生物学 / 天然物 / 放線菌 / 阻害剤 |
研究実績の概要 |
がんは,様々な遺伝子変異の蓄積によって解糖系やグルタミン代謝などのエネルギー代謝経路を変化させて生存・増殖を有利にする.したがって,がんの代謝を阻害する化合物は,がん特有の代謝経路を利用した抗がん剤の候補として期待される.本研究ではグルタミン代謝補償試験を用い,グルタミンの代謝に影響を与えうる化合物を放線菌の培養液から探索した.グルタミン代謝補償試験はグルタミンまたはジメチルケトグルタル酸 (DMKG) を含む培地で培養した細胞に対する薬剤感受性を評価するものである.グルタミンはケトグルタル酸 (KG) に代謝されクエン酸回路に導入される.DMKG は KG に代謝されグルタミン代謝を補償する.したがって,前者の培地選択的に毒性を示す化合物はグルタミン代謝に影響を及ぼすことが期待される.本探索から得られた放線菌の培養液を,グルタミン代謝補償活性を指標に各種クロマトグラフィーで精製し,新規アシルジペプチドmicromonosporamide Aを得た.Micromonosporamide Aの誘導体を合成するに当たり,効率的なβヒドロキシαアミノ酸の合成法を探索した.その結果,高立体選択的 (ee >98%, dr 99:1) で高収率 (95%) なダイレクト型触媒的不斉アルドール反応を見出すことができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Micromonosporamide Aの誘導体を合成する上で有用な,高立体選択的 (ee >98%, dr 99:1) で高収率 (95%) なダイレクト型触媒的不斉アルドール反応を見出すことができたため.
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に従い,新規天然物の構造活性相関研究を行う.さらに適切な分子プローブへと導き本天然物の化学生物学的な作用機序解析を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画に従い,新規天然物の構造活性相関研究を行う.さらに適切な分子プローブへと導き本天然物の化学生物学的な作用機序解析を行う.
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