研究課題/領域番号 |
22K05400
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
安部 公博 国立感染症研究所, 治療薬・ワクチン開発研究センター, 主任研究官 (10748940)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 枯草菌 / Bacillus / 膜小胞 / ワクチン |
研究実績の概要 |
本研究は、Bacillus属細菌由来の膜小胞を材料にして、多様な病原体に対し迅速に対応しうる次世代型ワクチンの開発を目的としている。特に細菌由来膜小胞の増産方法の開発と、膜小胞表面に抗原タンパク質を提示する技術の開発を中心に研究を進めている。 2023年度に、無害なBacillus属細菌の代表的な例である枯草菌において、本菌をBrain-Heart Infusion培地で培養することにより、抗菌ペプチドであるsublancinの生産が促され、結果として膜小胞が培地中に大量に分泌されることを明らかとした。 2024年度は、Bacillus属細菌の膜小胞にアジュバント活性があるかを調査した。枯草菌等のBaicllus属細菌各種をBrain-Heart Infusion培地で培養し、その培養上清から膜小胞を大量調整・精製した後に、モデル抗原としてオボアルブミンと混合し、マウスに3週間おき3回の鼻腔投与を行った。その後、鼻腔洗浄液、肺胞洗浄液、血清を採取し、サンプル中に含まれるオボアルブミン特異的な抗体の産生をELISA法により評価した。その結果、高いアジュバント活性があることが既に知られている大腸菌Nissle株由来外膜小胞と同等程度の免疫賦活作用が、Baicllus属細菌由来の膜小胞にあることが明らかとなった。また、抗原及び膜小胞を鼻腔投与することにより、全身性免疫だけでなく、粘膜免疫も誘導できることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Baicllus属細菌由来の膜小胞にアジュバント活性があることを明らかにした。また、膜小胞表面に抗原タンパク質を連結する手法を開発できた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、Bacillus属細菌由来膜小胞の表面に病原体由来のタンパク質を提示したワクチンを作製し、マウスに投与し、抗体産生の評価及び感染実験等を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
消耗品等の価格変動があったため。生じた次年度使用額は、物品購入に充てる。
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