研究課題/領域番号 |
22K05415
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
中島 琢自 早稲田大学, リサーチイノベーションセンター オープンイノベーション推進部門, 上級研究員 (40526216)
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研究分担者 |
安藤 正浩 早稲田大学, ナノ・ライフ創新研究機構, 次席研究員(研究院講師) (50620803)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 植物内生放線菌 / 新規二次代謝産物 / PC screening |
研究実績の概要 |
植物個体の表面および内部に存在する協生微生物(エンドファイト)、特に協生放線菌に着目し、それらが生産する二次代謝物を解析することにより、植物と協生放線菌との相互作用を化合物中心に理解し、植物と協生放線菌の相互関係を明らかにすることを目的とする。 協生放線菌から新規二次代謝産物を見いだすために培養液抽出物を作製した。放線菌は、同グループの竹山研究室が分離した植物の根に生息する放線菌を提供していただいた。提供していただいた放線菌350株を保存し、約200株の培養液抽出物(400サンプル)の調製が終了している。培養液抽出物の調整が終了したサンプルについては、LC/MS分析を行い、データを蓄積し、随時データ解析を行い、新規と推定される二次代謝産物を抽出している。今後、構造決定する二次代謝産物の優先度を決めて進める予定である。先行して、Microbispora sp.が生産する二次代謝産物が質量分析により新規と推定され検討を進めている。竹山研究室で、本菌株のドラフトゲノムの解析をしていただき、その情報も合わせたうえで、MSスペクトルとラマンスペクトルから化合物推定を実施する。その後、新規性が高いと判断した上で、各種クロマトグラフィーを用いて、候補物質を精製し、構造決定へと進めていく予定である。 また、植物と協生放線菌の相互作用を解明するために評価系を構築している。新規トレハロース物質、トレハンジェリンを用いて、植物の成長促進効果などを評価し、顕微ラマンでトレハンジェリンの植物内局在を検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目標としていた植物由来放線菌200株を用いた培養液抽出物の作製は達成した。それら培養液抽出物のLC/MS分析も随時実施している。その一部はLCラマン分析を行い、解析中である。
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今後の研究の推進方策 |
PC screeningで得られた新規物質は植物に対する成長促進などの生物活性を測定していく。その評価系を構築する必要があるため、キンギン草の根より分離した希少放線菌Polymorphospora rubra K07-0510が生産する新規二次代謝産物トレハンジェリンを用いて検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度購入予定の汎用量子科学計算プログラムを購入していた。購入手続きが遅れ、2022年度から2023年度に繰り越して購入予定である。現在、精製を進めている化合物に使用するため、計画に変更はない。
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