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2022 年度 実施状況報告書

腐食性メタン菌の機能を活用した電気メタン合成の高度化

研究課題

研究課題/領域番号 22K05420
研究機関一般財団法人電力中央研究所

研究代表者

平野 伸一  一般財団法人電力中央研究所, サステナブルシステム研究本部, 上席研究員 (20392748)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード微生物腐食 / メタン菌 / 電気メタン合成
研究実績の概要

金属腐食を引き起こす腐食性メタン菌は固体金属から電子を獲得する活性が高いと考えられている。本研究では、淡水環境から単離した腐食性メタン菌に対して、電極から電子を供給する電気培養法を適用することで、電気メタン合成手法の高度化を目的としている。腐食性メタン菌Methanobacterium sp. TO1株の電極との電子授受特性を電気化学的な手法を用いて評価した結果、-0.6 V (vs Ag/AgCl) 以下の電位で電極からTO1株細胞へ電子が流れることを確認した。-0.6 V以下の電位を印加することによりメタン合成が可能であると考えられた。次に、通電によりメタン合成が生じるか確認するとともに、メタン合成を効率化するためのカソード電極の検討を行った。炭素板をカソード電極とした電気培養槽を用い、-0.7 Vの電位を印加した条件でTO1株の培養を行った結果、還元電流の増加に伴ったメタン合成を検出できた。反応効率の向上を目指し、より多くの菌体がカソード電極表面で反応できるように、電極表面での菌体保持をサポートするため炭素繊維を炭素板表面に結束した電極とステンレスメッシュで炭素繊維を挟み込んだ電極を試作し、電気培養試験 (-0.6~-0.8 V) を行った。メタン合成量を比較した結果、ステンレスメッシュで炭素繊維を挟み込んだ電極に、-0.8 Vの電位を印加した場合において、より高いメタン生成量が得られた。引き続き、電極、電気培養槽の検討を行うことで、より高いメタン生成を目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

腐食性メタン菌株に対して、電極より電子を供給することでメタン合成が可能であることを確認でき、好適な電位を推定することができた。また、メタン合成を高めるための電極の検討を行い、炭素繊維とステンレスメッシュを組み合わせた電極において、高いメタン生成活性を得た。そのため、順調に進展しているを選択した。

今後の研究の推進方策

今後は、電極素材、形状について更なる検討・試作を行うことで電気メタン合成活性の向上を図る。また、腐食性微生物のゲノム解析等から電極からの電子獲得に関与する酵素遺伝子を特定し、その情報を活用した機能改善を図る。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 局部腐食を引き起こす 電気腐食性硫酸還元菌の単離と 腐食形態の観察2022

    • 著者名/発表者名
      平野伸一、若井暁、上野文義、岡本章玄
    • 学会等名
      第184回鉄鋼協会講演大会

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公開日: 2023-12-25  

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