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2024 年度 実績報告書

新規酵素によるいもち病菌の植物免疫回避とイネのカウンター防御の分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K05447
研究機関近畿大学

研究代表者

大沼 貴之  近畿大学, 農学部, 教授 (60446482)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードGH18キチナーゼ / キチンオリゴ糖エリシター / イネいもち病菌
研究実績の概要

キチンオリゴ糖(GlcNAc)3-6を基質に用いてMoChia1による加水分解反応の速度論的解析を行った結果,各基質に対する親和性と触媒効率は同程度であることがわかった.またMoChia1は,天然状態においてαアノマーより存在量が少ないβアノマーのみを基質とし,エキソ型の様式で基質を分解する酵素であることから,エンド型キチナーゼに比べてキチンオリゴ糖エリシターの素早い低分子化に適していないことが示唆された.
MoChia1とキチンオリゴ糖とのドッキングシミュレーションを行った結果,基質結合サブサイト+2に相当する位置にAsn195が存在し,同アミノ酸残基を含むループ構造が“壁”となり+2から先のプラス側サブサイトを塞いでいることがわかった.したがってクレフト型の基質結合部位をもつエンド型のGH18キチナーゼに対して,同酵素にはキチンオリゴ糖基質の還元末端からGlcNAcを遊離するのに適したポケット型基質結合部位が形成されていることが示された.また,Asn195の側鎖と基質のアノマー位のヒドロキシ基が水素結合を形成し,この結合がMoChai1の基質認識におけるβアノマー選択性に寄与していることが示唆された. Asn195の変異体であるMoChia1_N195Aを調製し,同変異体酵素によるキチンオリゴ糖分解をHPLCで追跡したところ,反応液中に残存する基質のαアノマーに対するβアノマーの割合は,野生型に比べてN195A変異体を用いた場合ではいずれの反応時間においても高く,反応開始から10分経過した時点では約4.5倍に増加していた.このことから,Asn195は基質のβアノマーの選択的分解において重要なアミノ酸残基の一つであることがわかった.これら結果から, MoChia1は既存のエンド型GH18から分子進化によって作られた新規酵素であることが示唆された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 糖質関連タンパク質研究から見えてきた植物病原菌の感染と植物の生体防御の分子機構2024

    • 著者名/発表者名
      大沼貴之
    • 学会等名
      第18回 多糖の未来フォーラム/第536回 生存圏シンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] イネいもち病菌Magnaporthe oryzae由来新規GH18キチナーゼMoChia1の構造と機能2024

    • 著者名/発表者名
      吉本 光希、武田 徹、大沼 貴之
    • 学会等名
      日本農芸化学会2025年度札幌大会

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公開日: 2025-12-26  

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