現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)私たちが提唱している「分子柔軟化」の概念を用いることで,グルコース上で初めてデヒドロヘキサヒドロキシジフェノイル基を構築した。すなわち,グルコースの3,6位酸素に架橋基を導入した酸化前駆体を調製し,塩化銅(Ⅱ)を作用させ,グルコースの2,4位酸素上でデヒドロヘキサヒドロキシジフェノイル基を構築することに成功した。 (2)類縁体の合成に取り組んだ。2,3;4,6-ジ-O-ヘキサヒドロキシジフェノイル基を有するメチルグルコオキシムに対して,立体選択的な1位のC-グリコシル化によってカスアリニンを全合成した。続いて,1位の反応性の高さを利用してベンジルオキシ基を導入することで,スタチュリンを全合成した。これらの合成経路の開発によって,C-グリコシドエラジタンニンの合成の基礎を確立した。
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