研究課題
当初の予定では、metabolic dysfunction-associated steatohepatitis (MASH)モデルマウスに対しウロリチンを投与する実験を2023年度に開始する予定であった。しかし2024年4月に国際医療福祉大学から東京医科大学に異動することが決定したため、上記実験を2023年度に行うことは困難となり、既に動物の屠殺が終了している補助研究の解析を行った。実験1: MASHモデルマウスに対するプトレシンの効果を調べた。その結果、プトレシンは血清ALT値や肝細胞風船状腫大を有意に改善した。また画像解析にて、プトレシン投与により肝臓の線維化領域、ミエロペルオキシダーゼ陽性細胞数、alpha-smooth muscle actin陽性領域は有意に減少した。以上から、プトレシンがマウスのMASHを抑制する可能性が示唆された。実験2:原発性胆汁性胆管炎(PBC)モデルマウスに対するハスカップ果実抽出物の効果を調べた。その結果、中用量や高用量ハスカップ果実抽出物の投与により、血清ALP、AST、ALT値は減少する傾向が見られた。また、中用量ハスカップ果実抽出物は胆管炎や線維化を改善する傾向を示し、画像解析にてCD3陽性細胞数を有意に減少させた。以上から、中用量や高用量ハスカップ果実抽出物がマウスのPBCを改善する可能性が示唆された。実験3:原発性硬化性胆管炎(PSC)モデルであるAbcb4-/-マウスに対するハスカップ果実抽出物の効果を調べた。その結果、低用量ハスカップ果実抽出物は血清ALT値を、高用量ハスカップ果実抽出物は血清ALP値を有意に改善した。また画像解析にて、低および高用量ハスカップ果実抽出物はCD3やCD4陽性細胞数を有意に減少させた。以上から、低用量、高用量ハスカップ果実抽出物はそれぞれ肝細胞障害、胆道障害を改善することが示唆された。
3: やや遅れている
当初の予定では、MASHモデルマウスに対しウロリチンを投与する実験を2023年度に開始する予定であった。しかし2024年4月に国際医療福祉大学から東京医科大学に異動することが決定したため、上記実験を2023年度に行うことは困難となった。
2024年4月1日付で、研究代表者は東京医科大学に異動した。早速東京医科大学の動物実験講習会を受講・修了し、東京医科大学で動物実験を行う資格を取得した。速やかに動物実験計画書を提出し、承認を得た上で実験を開始する予定である。
2023年度末をもって国際医療福祉大学から東京医科大学に異動することが決定したため、当初予定していたウロリチン投与実験を2023年度に施行することが出来なくなり、次年度使用額が生じた。2024年度に、東京医科大学において上記実験を行う予定である。
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Biomedicines
巻: 11 ページ: 2761~2761
10.3390/biomedicines11102761