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2022 年度 実施状況報告書

機能性食物繊維による呼吸器粘膜アジュバント活性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K05480
研究機関女子栄養大学

研究代表者

石橋 健一  女子栄養大学, 栄養学部, 准教授 (20453805)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードグルカン / IgA / 粘膜免疫
研究実績の概要

β-1,3-グルカンは食物繊維としての機能や免疫向上機能等が期待されている。しかし、β-1,3-グルカン摂取による抗β-グルカン抗体産生への影響ついては明らかでない。そこで本研究では、β-1,3-グルカンをマウスに摂取させ、血中および粘膜での抗β-グルカン抗体産生を検討した。
AIN-93Gを基本飼料とする対照飼料またはAIN-93Gに5%パラミロンを添加し調整したパラミロン添加飼料をマウスに4週間自由摂取させた。摂取4週間後にマウスを解剖し、血清、肺胞洗浄液を調製した。パラミロンおよびCandida細胞壁由来β-グルカンを固相抗原としたELISA法にて、抗β-グルカンIgG、IgA抗体価を測定した。
β-1,3-グルカン摂取群は、対照群と比較し、肺胞洗浄液中の抗β-1,3-グルカンIgA抗体価が高力価を示した。また、Candida細胞壁由来β-グルカンに対する肺胞洗浄液IgAも対照群と比較し高力価を示した。一方、血清において、有意な差は認められなかった。以上のことから、β-1,3-グルカン摂取により粘膜面の抗β-グルカンIgA産生が上昇することが示唆された。病原真菌であるCandida由来BGに対するIgA抗体価も高力価を示したことから、β-1,3-グルカン摂取は肺などの粘膜面における病原真菌に対する生体防御機構を高めることが示唆された。さらにβ-1,3-グルカン摂取マウスのパイエル板細胞を調整し、IgA産生細胞数について、フローサイトメトリーで検討した。β-1,3-グルカン摂取マウスでは、パイエル板でのIgA産生細胞数が多いことが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度において、検討に用いるマウス系統や雄雌、β-1,3-グルカン摂取期間など基本的な条件ついて検討し、今後安定して検討ができる見通しがついた。β-1,3-グルカン摂取による肺粘膜でのIgA産生を検討したところ、β-1,3-グルカン摂取マウスにおいて、高力価を示し、計画通りに進めることができている。

今後の研究の推進方策

β-1,3-グルカン摂取による肺粘膜IgA産生の機序について、β-1,3-グルカン認識受容体陽性細胞の関与や腸内細菌の関与について検討を進める。

次年度使用額が生じた理由

今年度は、これまでに所有していた試薬を使用し、検討を進めた。予定していた微生物抗原に対する検討は、次年度に解析する予定であり、次年度使用額から使用する。

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公開日: 2023-12-25  

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