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2023 年度 実施状況報告書

AIとコヒーレンス解析を用いた機能性食品の脳内機構の解明に繋がる推定手法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 22K05491
研究機関静岡大学

研究代表者

沖田 善光  静岡大学, 工学部, 講師 (60270310)

研究分担者 中村 晴信  関西医科大学, 医学部, 非常勤講師 (10322140)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード機能性食品 / GABA / 脳波 / 人工知能
研究実績の概要

本研究では人工知能(AI)による眼球電位の低減及び時間的変化を含む大脳皮質の脳領域間の連関が可能となる動的コヒーレンス解析を用いて個人間のGABAの脳波活動関連パターンの分類・学習からストレス低減機構の解明に繋がる推定手法の確立を目的とする。
本年度は、(1)機能性成分GABAの摂取前後における多チャンネル同時計測・解析システムによる神経生理学的指標の検討及びAIを用いた眼球電位の低減手法の検討を行った。
本年度は、時系列データの長期的な依存関係を学習することが可能なLSTMニューラルネットワークモデルを用いて脳波から眼球電位を低減するように学習させた。さらに,学習させたモデルを用いて、機能性成分GABA摂取前後の脳波での眼球電位低減効果を検討した。その後、眼球電位低減による機能性成分GABA摂取前後の脳波の各種スペクトル及び脳部位間のコヒーレンス解析を行った。さらに機能性成分GABAを用いて脳の高次機能を調べるために視・聴覚刺激システム装置の開発を行った。
その結果、AIを用いて眼球電位の時間-周波数変化の特徴量を抽出し眼球電位を低減する上で、様々な眼球電位の特徴を学習する高性能AI技術による生体信号処理手法の確立が重要であることが分かった。さらにAIを用いて眼球電位を低減した上で、脳波の各種スペクトル解析及びコヒーレンス解析の結果から機能性成分GABAによる脳活動の部位の特定を示すことができた。また、今回開発した視・聴覚刺激システム装置を用いて事象関連脳電位である随伴陰性電位(CNV)とP300の波形を同時に確認することができた。
以上よりAIを用いて眼球電位の時間-周波数変化の特徴量を抽出・学習した上で眼球電位を低減し、機能性成分GABAの摂取前後における脳波の各種スペクトルによる脳活動の変化及びコヒーレンス解析による脳部位間の関係を示すことができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本年度は、AIを用いて脳波に含まれる眼球電位の時間-周波数変化の特徴量を抽出・学習した上で、様々な眼球電位の低減による生体信号処理手法にかなりの時間を要した。このため、機能性成分GABAによる視・聴覚刺激システム装置を用いてヒト実験における中枢神経活動の神経生理データの時間-周波数解析の調査及び機能性成分GABAの摂取前後のストレスホルモン指標測定並びにその指標と神経生理学的指標との相互関係について調べるには至っていない。

今後の研究の推進方策

今後は、高性能AI技術を用いて脳波に含まれる様々な眼球電位の時間-周波数変化の特徴量を抽出・学習し、それを用いて様々な眼球電位パターンに分類した上で、そのパターン毎に応じて眼球電位を低減後、1)視・聴覚刺激システム装置を用いて機能性成分GABAの摂取前後における神経生理学的指標の解析及び(2)機能性成分GABAの摂取前後のストレスホルモン指標測定並びにその指標と神経生理学的指標との相互関係について調べる。

次年度使用額が生じた理由

理由
本年度は、AIを用いて脳波に含まれる眼球電位の時間-周波数変化の特徴量を抽出・学習した上で、様々な眼球電位の低減による生体信号処理手法にかなりの時間を要した。このため、機能性成分GABAによる視・聴覚刺激システム装置を用いてヒト実験における中枢神経活動の神経生理データの時間-周波数解析の調査及び機能性成分GABAの摂取前後の様々なストレスホルモン指標測定並びにその各種指標と神経生理学的指標との相互関係について調べるには至っていない。
使用計画
機能性成分GABAの摂取前後の様々なストレスホルモン指標測定について行う。具体的には、クロモグラニンA 、メラトニン、コルチゾール、s-IgA、αアミラーゼの測定を行う。またその各種ストレスホルモン指標と機能性成分GABAによる視・聴覚刺激システム装置を用いてヒト実験における神経生理学的指標との相互関係について調べる計画である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Using the Hilbert Transform to Evaluate the Effects of Functional Foods on Autonomic Nervous System Activity: A Comparison with the Fast Fourier Transform2024

    • 著者名/発表者名
      A.Yoshino, H.Nakamura, Y.Okita
    • 雑誌名

      Journal of Nutritional Science and Vitaminology

      巻: 70 ページ: 179-182

    • DOI

      10.3177/jnsv.70.179

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 米摂取時の満足感に関連する脳波成分の検討-周波数解析と快適度評価モデルを用いた検討-2023

    • 著者名/発表者名
      吉野朱香, 藤田真由, 中村晴信, 沖田善光
    • 学会等名
      第85回日本心身医学会中部地方会
  • [学会発表] 機能性食品(GABA)摂取前後における脈波信号の非線形解析の試み2023

    • 著者名/発表者名
      井上拓, 赤井亮太, 吉野朱香, 大橋和義, 中村晴信, 沖田善光
    • 学会等名
      第85回日本心身医学会中部地方会
  • [学会発表] 心電図からの呼吸推定法による呼吸入力インターフェースの検討2023

    • 著者名/発表者名
      赤井亮太, 吉野朱香, 中村晴信, 沖田善光
    • 学会等名
      日本デジタルゲーム学会2023年夏季研究発表大会
  • [学会発表] メロンの匂い刺激時の脳波特徴量の検討-高速フーリエ変換とウェーブレット変換の比較-2023

    • 著者名/発表者名
      吉野朱香, 藤田真由, 赤井亮太, 中村晴信, 沖田善光
    • 学会等名
      第77回日本栄養・食糧学会大会
  • [学会発表] LSTMニューラルネットワークを用いた機能性食品摂取前後の脳波における眼球アーチファクト低減法の検討2023

    • 著者名/発表者名
      赤井亮太, 吉野朱香, 藤田真由, 中村晴信, 沖田善光
    • 学会等名
      第77回日本栄養・食糧学会大会

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公開日: 2024-12-25  

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