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2023 年度 実施状況報告書

環状オリゴ糖の摂取による健康増進と病態発症の分岐点

研究課題

研究課題/領域番号 22K05493
研究機関島根大学

研究代表者

吉清 恵介  島根大学, 学術研究院農生命科学系, 准教授 (30510739)

研究分担者 清水 英寿  島根大学, 学術研究院農生命科学系, 教授 (10547532)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード腸内細菌 / 胆汁酸 / コール酸 / ラット / 環状オリゴ糖
研究実績の概要

本研究は、医薬、食品分野で利用されている環状オリゴ糖であるγ-シクロデキストリン(γ-CD)摂取の安全性を、より一層高めることを目的としている。これまでの我々の研究において見出された、特定の健康状態を模したモデル動物によるγ-CD摂取により生じる健康への好まれない影響について、その機構解明と予防策の提示を目指している。研究期間2年目においては、老齢期の消化管内の胆汁酸濃度を再現するモデルラットから採取した、血漿、肝臓サンプルの解析により、γ-CD摂取による健康への影響について調査した。その結果、当該のモデルラットによるγ-CDの摂取が、肝臓の炎症性パラメータとして知られる血中アスパラギン酸アミノ基転移酵素(AST)、およびアラニンアミノ基転移酵素(ALT)を上昇させる傾向があることが明らかになった。この他に、血液性化学検査において、総コレステロール値と中性脂肪への影響について、わずかながら値が上昇する傾向が見られた。一方で、血糖値と体重には変化が生じておらず、このことから摂取したγ-CDは糖質として利用されていない可能性が強く示唆された。現在はこれらの結果と、腸内細菌の菌叢解析の結果との関連を解析している。さらに、盲腸内容物に含まれる短鎖脂肪酸の測定を行っており、すでに得られている盲腸内容物のpHのデータと共に、腸内細菌によるγ-CDの代謝についての見解が得られると期待される。これらの成果によりγ-CD摂取の安全性をより高めるために役立つ情報が提供できると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

腸内細菌叢の解析が終了していないため、他のデータとの相関解析が終わっていない。必要な解析を進めており、研究期間内に予定のすべてを完了できるよう準備を進めている。

今後の研究の推進方策

基本的に計画に沿って進める。遅れている部分について集中的に注力し、関連した計画の遅延が発生しないよう心がける。本研究で注目している成分の分析に関して困難が生じた際には、その専門知識を有する別の研究者に本研究への協力を依頼することがある。

次年度使用額が生じた理由

研究消耗品の価格変動により、最終的に189円の誤差が生じたが問題ないと思う。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] エゴマ油とγ-シクロデキストリンとの包接錯体摂取が赤血球膜脂肪酸組成に与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      吉清恵介・藤原大河・長谷川敦士・渡部遥香・清水英寿・山本達之
    • 学会等名
      第77回 日本栄養・食糧学会大会
  • [学会発表] シクロデキストリンの油同化促進機能に関する研究2023

    • 著者名/発表者名
      吉清恵介
    • 学会等名
      第39回シクロデキストリンシンポジウム
  • [学会発表] マウス赤血球膜脂肪酸組成に与えるエゴマ油-γ-シクロデキストリン包接体摂取の影響2023

    • 著者名/発表者名
      長谷川敦士,吉清恵介,山本達之
    • 学会等名
      第39回シクロデキストリンシンポジウム
  • [学会発表] エゴマ油-タウロコール酸エマルジョンの粒子径に与えるシクロデキストリンの影響2023

    • 著者名/発表者名
      藤原大河,吉清恵介,山本達之
    • 学会等名
      第39回シクロデキストリンシンポジウム

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公開日: 2024-12-25  

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