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2022 年度 実施状況報告書

TRPおよびPiezoチャネルによる嚥下誘発機構と「のど越しのおいしさ」の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K05501
研究機関松本歯科大学

研究代表者

安藤 宏  松本歯科大学, 歯学部, 准教授 (30312094)

研究分担者 Hossain M.Zakir  松本歯科大学, 歯学部, 講師 (40792445)
海野 俊平  松本歯科大学, 歯学部, 講師 (80418920)
北川 純一  松本歯科大学, 歯学部, 教授 (50373006)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード嚥下 / TRPチャネル / TRPV4 / TRPV1 / TRPM8 / TRPA1 / 上喉頭神経
研究実績の概要

嚥下の誘発には、上喉頭神経が支配する咽頭・喉頭領域の感覚入力が重要である。我々はこれまでに上喉頭神経に発現するTRPV1、TRPM8、TRPA1を介した感覚入力が嚥下を促進することを報告した。しかしながら、TRPチャネルにはこれらの他に嚥下反射との関連が明らかになっていないものが多数ある。TRPV4は、これまでに温度受容器、化学受容器、機械受容器、浸透圧受容器であることが報告されているが、嚥下反射との関連は明らかになっていない。TRPV4免疫陽性反応は、ラット上喉頭神経の感覚神経の有髄と無髄線維において観察された。また、電気生理学的実験において、咽頭・喉頭領域へ投与したTRPV4アゴニスト(GSK 1016790A)は、濃度依存的に嚥下誘発を亢進し、TRPV4アンタゴニスト(RN 9893 hydrochloride)は、この嚥下促進効果を減弱した。咽頭・喉頭領域へ投与した低浸透圧溶液であるDWや、マンニトール高浸透圧溶液は、生理食塩水に比べ有意に嚥下誘発を促進した。以上の結果は、咽頭・喉頭領域への浸透圧刺激により嚥下反射が促進すること、そして上喉頭神経に発現するTRPV4が浸透圧刺激の受容器の候補の1つとなることを示唆している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

TRPV4チャネルの発現を上喉頭神経の感覚神経において観察できた。TRPV4チャネルのアゴニストやアンタゴニストが嚥下誘発におよぼす影響を観察できた。

今後の研究の推進方策

TRPV4は化学刺激、機械刺激、浸透圧刺激など様々な刺激に応答する受容器であることが示唆されている。TRPV4を介して、嚥下が誘発されることを明らかにできたが、嚥下誘発時にどの刺激がTRPV4を活性化するのかを明らかにする必要がある。

次年度使用額が生じた理由

抗体やチャネルのアゴニスト・アンタゴニストを購入するため

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Pharmacological activation of transient receptor potential vanilloid 4 promotes triggering of the swallowing reflex in rats2023

    • 著者名/発表者名
      Hossain Mohammad Zakir、Ando Hiroshi、Unno Shumpei、Roy Rita Rani、Kitagawa Junichi
    • 雑誌名

      Frontiers in Cellular Neuroscience

      巻: 17 ページ: 1149793

    • DOI

      10.3389/fncel.2023.1149793

    • 査読あり
  • [雑誌論文] TRPA1s act as chemosensors but not as cold sensors or mechanosensors to trigger the swallowing reflex in rats2022

    • 著者名/発表者名
      Hossain Mohammad Zakir、Ando Hiroshi、Unno Shumpei、Kitagawa Junichi
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 12 ページ: 3431

    • DOI

      10.1038/s41598-022-07400-3

    • 査読あり
  • [学会発表] 上喉頭神経の感覚神経に発現しているTRPV4チャネルに誘発される嚥下反射2022

    • 著者名/発表者名
      安藤宏、Hossain MZ、 Roy RR, 海野俊平、北川純一
    • 学会等名
      日本味と匂学会第56回大会

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公開日: 2023-12-25  

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