研究課題/領域番号 |
22K05529
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研究機関 | 城西大学 |
研究代表者 |
片倉 賢紀 城西大学, 薬学部, 准教授 (40383179)
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研究分担者 |
紫藤 治 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (40175386)
杉本 直俊 金沢大学, 保健学系, 教授 (80272954)
松崎 健太郎 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 講師 (90457185)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | CKD / 酸化ストレス |
研究実績の概要 |
慢性腎臓病の進行に伴い、心臓、網膜、脳、肝臓などの様々な臓器の機能が低下するが、その理由として、炎症や酸化ストレスの増加と組織幹細胞の増殖・分化能の低下が関与すると仮説を立て、慢性腎臓病モデルラットで検証することを目的としている。また、魚油に多く含まれるω-3系多価不飽和脂肪酸に、慢性腎臓病の進行抑制効果や多臓器合併症抑制効果があるかどうかと、その機構を解明する事を目的としている。 本年度は、5/6腎切除慢性腎不全モデルラットにω3多価不飽和脂肪酸のドコサヘキサエン酸(DHA)とエイコサペンタエン酸(EPA)を含む餌を給餌し、22週間飼育した。尿中アルブミン排泄量は腎不全モデルラットで増加したが、ω3多価不飽和脂肪酸の摂取により尿中アルブミン排泄量は減少する傾向にあった。各臓器の脂肪酸組成を測定したところ、ω3多価不飽和脂肪酸の摂取によりその割合が増加した。活性酸素量は慢性腎不全モデルラットでは増加し、ω3多価不飽和脂肪酸の摂取により減少した。尿毒症物質のインドキシル硫酸(InS)を高速液体クロマトグラフィー質量分析計で定量したところ、性腎不全モデルラットでは増加し、ω3多価不飽和脂肪酸の摂取により減少した。以上の事から、ω3多価不飽和脂肪酸は尿毒症物質を減少させることで各臓器の酸化ストレスを抑制していることが示唆された。今後、各臓器の組織学的解析をすることで、組織幹細胞の増殖や分化に対する慢性腎不全とω3多価不飽和脂肪酸の摂取の影響について検討する尾底である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
動物実験は終了し、今後解析を進める段階にあるため
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今後の研究の推進方策 |
動物実験で採取した臓器を用いて解析を進めると共に、学術論文投稿の準備を進める。 本件に関して学会での発表も予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗により予定したいた試薬を購入しなかったため、翌年度分の助成金と合わせて使用する。
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