研究課題/領域番号 |
22K05535
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研究機関 | 公益財団法人日本分析センター |
研究代表者 |
須藤 百香 公益財団法人日本分析センター, その他部局等, 研究員(移行) (40929907)
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研究分担者 |
王 暁水 公益財団法人日本分析センター, その他部局等, 研究員(移行) (10544273)
川島 洋人 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (60381331)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 安定同位体 / サプリメント / ビタミン / 多元素分析 / 異同識別 |
研究実績の概要 |
近年,健康志向の高まりにより健康食品やサプリメントを利用する人が増加している。サプリメントは,医薬品とは異なり厳しい基準がなく,さらにインターネットを通して手軽に購入できるなど,表示偽装や医薬品混入の違法事例が多発している。特に、サプリメントの売り上げ上位であるビタミン類は,合成原料よりも天然原料の方が,価格が数倍高いため,原材料を偽る偽装が社会的な問題になり始めている。本研究では,安定同位体を用いて水溶性ビタミンの原材料の識別方法を確立することを目指す。 令和4年度は、固相抽出法を用いたビタミンC(アスコルビン酸)の最適な抽出方法を検討した。主に、サンプルの前処理、固相抽出剤の選択、抽出溶液の種類を検討した。結果は、陰イオン交換カラムを用いて炭素安定同位体の既知値との差は0.7‰以下であった。今後はさらに確度・精度及び回収率を上げるため、固相抽出条件の検討を続ける予定である。また、炭素・水素・酸素の安定同位体比の高精度・高確度な分析方法を確立することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度は、 ビタミンC の最適な固相抽出方法を検討した。サンプルの前処理、固相抽出剤の選択、抽出溶液の種類を検討した結果、炭素安定同位体の既知値との差は0.7‰以下であり良好な結果が得られた。また、炭素・水素・酸素の安定同位体比の高精度・高確度な分析方法を確立することができた。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、確度・精度及び回収率の向上のため引き続き固相抽出条件の検討を行う。また、国内外のビタミン剤を収集し、構築した分析方法をもとに,市販ビタミン剤の炭素・水素・酸素の安定同位体分析を行う予定である。また、成分ごとの同位体分析としてLC/IRMSの各種条件(LCカラムの選定,燃焼温度,流速等)の最適化を行い、0.3‰以下の高精度・高確度な分析方法の確立を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じたのは、新型コロナウイルスの影響により当初予定していた研究分担者への訪問が難しかったことと、測定に使用する消耗品の購入が少なく済んだためである。令和5年度に,研究分担者への出張費や固相抽出実験の消耗品購入のために支出予定である。
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