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2022 年度 実施状況報告書

新型コロナウイルス感染症の予防を目的とした機能性食品成分の探索

研究課題

研究課題/領域番号 22K05551
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

酒井 祥太  国立感染症研究所, 細胞化学部, 主任研究官 (60611720)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード新型コロナ感染症 / 阻害剤 / 機能性食品 / 脂質
研究実績の概要

世界的大流行となっている新型コロナウイルス感染症COVID-19に対して日常的な食生活から予防する、あるいはウイルスの増殖を抑制する効果を有する機能性食品成分を見出すことを目的とした。まずはじめに、分離されたSARS-CoV-2各変異株(起源株、α株、β株、δ株、ο株)のワーキングストックを作成し、それぞれのウイルス力価を測定した。作成したワーキングストックを用いて、細胞変性効果および細胞傷害性を誘導するウイルス力価、処理時間の条件検討を行い、スクリーニング条件を決定した。確立した条件下でSARS-CoV-2感染後の細胞傷害性阻害試験およびリアルタイムRT-PCR法によるウイルス定量を行い、様々な機能性食品成分処理による抗SARS-CoV-2効果を評価した。
市販品およびサンプル提供を受けた植物エキスライブラリーなど様々な成分について検討したところ、クルクミンおよびその代謝物にSARS-CoV-2ウイルス粒子を不活化する作用を見出した(同時期に論文報告された)。また、動物や植物など自然界に広く分布する特定の脂質が非常に強い抗SARS-CoV-2効果を示すことがわかった。候補脂質によるSARS-CoV-2感染阻害効果の作用メカニズムを解明するために、SARS-CoV-2の感染ライフサイクル(①宿主細胞の細胞表面に発現している受容体ACE2とウイルススパイクタンパクとの結合(ウイルス接着)②TMPRSS2によるスパイクタンパクの開裂と活性化にともなうウイルスゲノムの侵入 ③翻訳 ④複製 ⑤ウイルス粒子形成 ⑥放出)に着目し、どの過程を阻害するのかを検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、SARS-CoV-2感染による細胞傷害性を指標とした機能性食品成分のスクリーニングを行った。多くの候補成分を見出すことはできていないが、競合研究が増えてきている中で、(既報であった成分もあるが)まだ報告のない成分を同定できたことにより今後の進展が期待できると考えている。

今後の研究の推進方策

今年度に見出した成分については、その作用メカニズムを詳細に検討する。また、スクリーニングに供する成分は非常に多くの候補があるため、引き続き抗SARS-CoV-2効果のある成分の探索を行っていく。異なる感染阻害メカニズムを示す様々な成分を見出し、それらを組み合わせることで、日常的な食生活からCOVID-19を予防できるような方法を探索していく。

次年度使用額が生じた理由

共同研究などによる試薬(成分)の提供を受けたため、予定していた市販品の成分の購入数が多くならなかった。
また、欠品などにより予定していた消耗品の購入が年度内に間に合わないことが判明したため、残額が生じた(次年度に購入することとなった)。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Direct Inhibition of SARS-CoV-2 Spike Protein by Peracetic Acid2022

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto Yuichiro、Nakano Yoshio、Murae Mana、Shimizu Yoshimi、Sakai Shota、Ogawa Motohiko、Mizukami Tomoharu、Inoue Tetsuya、Onodera Taishi、Takahashi Yoshimasa、Wakita Takaji、Fukasawa Masayoshi、Miyazaki Satoru、Noguchi Kohji
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Sciences

      巻: 24 ページ: -

    • DOI

      10.3390/ijms24010020

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] コレステロール代謝物によるSARS-CoV-2感染阻害効果の解析2022

    • 著者名/発表者名
      酒井 祥太
    • 学会等名
      日本脂質生化学会
    • 招待講演
  • [学会発表] SARS-CoV-2に対する過酢酸の消毒効果の分子メカニズムの解析2022

    • 著者名/発表者名
      4)山本雄一朗, 村江真奈, 清水芳実, 酒井祥太, 小川基彦, 井上徹哉, 中野義雄, 宮崎智, 深澤征義, 野口耕司
    • 学会等名
      日本防菌防黴学会

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公開日: 2023-12-25  

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