研究課題/領域番号 |
22K05552
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研究機関 | 熊本県産業技術センター(ものづくり室、材料・地域資源室、食品加工室) |
研究代表者 |
佐藤 崇雄 熊本県産業技術センター(ものづくり室、材料・地域資源室、食品加工室), その他部局等, 研究参事 (80467977)
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研究分担者 |
濱嶋 英樹 熊本県産業技術センター(ものづくり室、材料・地域資源室、食品加工室), その他部局等, 研究参事 (30398242)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 乳酸菌 / 菌体内生成物 / 水中衝撃波 |
研究実績の概要 |
乳酸菌の菌体内生成物は、近年の研究により抗アレルギー活性や抗肥満活性など様々な機能性が報告されている。申請者らは、独自の乳酸菌ライブラリーを有し、発酵特性や代謝特性など様々な研究を実施してきた。本研究は、食品や医薬品などの分野で活発に研究されている乳酸菌の菌体内生成物を、水中放電による高圧力(水中衝撃波)を利用して非加熱かつ高効率で得ることにより、従来法では取得の困難な物質の回収を目指すものである。得られた菌体内生成物は、各種活性評価により従来法との比較を行い、機能性食品や創薬などへの応用を検討を計画している。令和4年度は当初の計画通り、①菌体への衝撃波を制御する超高圧制御装置の開発、②乳酸菌ライブラリーから衝撃波処理対象株の選択、③菌体への衝撃波処理、④網羅的解析を実施し、菌体に瞬間的に衝撃波を負荷し、含有成分を損傷することなく細胞を破壊し抽出効率の向上を目的に、衝撃波作用によるエネルギーを長く対象に付与させることが可能であり、菌体に適した制御装置の改良、開発を進めた。また、申請者らがこれまでに構築した約2500株以上の乳酸菌ライブラリーより、抗アレルギー活性や抗酸化活性、脂質代謝改善活性などが比較的高い約100株程度を選抜し、対象株に付与するエネルギーなどの諸条件について、予備実験を行い、使用する乳酸菌に最適な衝撃波処理条件を確立した。その後、衝撃波照射後の菌体について穏和条件で抽出後、得られた生成物について網羅的解析(LC-QTOF/MSやCE-QTOF/MSを利用)により特性把握を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度は当初の計画通り、①菌体への衝撃波を制御する超高圧制御装置の開発、②乳酸菌ライブラリーから衝撃波処理対象株の選択、③菌体への衝撃波処理、④網羅的解析を実施し、菌体に適した制御装置の改良、開発や衝撃波照射後の菌体について抽出条件の検討などに時間は要したものの、令和4年度の課題を解決するために必要な実験データーの取得は完了した。取得したデーターを精査した結果、令和5年度以降の研究の進捗には欠かせないものであることも確認できるため、進捗状況はおおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、菌体(主に乳酸菌)から生成物を抽出する際の前処理として衝撃波処理を施すことにより、有用な化合物の抽出効率及び活性の向上、新たな活性物質の探索を行うことを目的としており、これまでとは全く異なる有用成分の抽出システムの構築を行い機能性食品への応用を目指すものであり、令和5年度以降は以下の項目について検討を行う。 ①水中衝撃波による瞬間的超高圧発生現象の解明:菌体表面にかかるエネルギー分布を解析して、衝撃波処理を最適化する基礎データーを構築する。 ②活性評価:得られた乳酸菌生成物(crude extract)について抗アレルギー活性や抗酸化活性、脂質代謝改善活性などを評価し、既存法で調整した試験区との差異について検討する。 ③新規化合物の探索:既存法では抽出困難な物質の取得が期待できるため乳酸菌生成物(crude extract)の詳細な成分分析を行い、新規化合物の探索を行う。
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