研究課題/領域番号 |
22K05555
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
小笠原 慎治 信州大学, 学術研究院理学系, 助教 (50462669)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | RNA編集 / インフルエンザウイルス / RNAポリメラーゼ |
研究実績の概要 |
インフルエンザウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)を利用してmRNAの配列を自由に編集する新しいRNA編集技術「RNAオーバーライティング」を開発することが本研究の目的である。本年度は当初の計画通り以下2つのテーマを行った。 1. RdRpの小型化はどこまで許容されるのか?。 RdRpを構成する3つのサブユニット(PA, PB1, PB2)の内ポリメラーゼの転写反応に直接関与しないPB2の小型化を試みた。PB2のC末端からドメインを1つずつ削除したPB2を発現する6種類のプラスミドを構築した。小型化PB2のプラスミドとその他のサブユニットのプラスミドをHEK293T細胞にコトランスフェクションし小型化リコンビナントRdRdを得た。また、細胞内でのRNAオーバーライティング効率を蛍光レポーターアッセイにより評価した。結果、小型化リコンビナントRdRdを用いたRdRpの活性評価では、N2ドメインまで削除してもRNAオーバーライティングは起った。しかし、細胞内ではどの小型化PB2を用いた場合でも、RNAオーバーライティングはほとんど起こらなかった。 2.テンプレートRNAの配列設計はどこまで自由度があるのか?。テンプレートRNAの末端領域をワイルドタイプの配列からmScarletの配列へ変更し蛍光レポーターアッセイを用いてRNAオーバーライティングの効率を評価した。その結果、配列を置き換えた場合、ワイルドタイプと比較して20%程度の効率に落ち込んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予期せぬ大きな問題もなく当初の計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
概ね当初の予定通り進める。2023年度に開始したテンプレートRNAの配列設計はどこまで自由度があるのか?を引き続き行い、より詳細に調べる。加えて、アクチンのmRNAを標的にした内在mRNAのRNAオーバーライティングを試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
差額は使い切れない端数である。令和6年度請求と併せて消耗品費として使う。
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