研究課題/領域番号 |
22K05567
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
稲垣 英利 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (90344126)
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研究分担者 |
宮下 正弘 京都大学, 農学研究科, 准教授 (80324664)
茂里 康 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (90357187)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | モリアオガエル / 泡巣構成ペプチド / OTLP |
研究実績の概要 |
今年度は、組換え技術及び化学合成でモリアオガエル泡巣の構成ペプチドOTLP(Oviduct Toxin-Like Peptide)の取得を試みた。モリアオガエル卵管RNAから4種類のOTLP cDNAをRT-PCRで単離し、大腸菌の発現ベクターpCold及びpGSTにサブクローニングして、OTLPペプチドの組換え体での発現を試みた。しかしながら、Cys残基の数が多いため正しい立体構造を形成することができず、機能的な発現には成功していない。酵母(Pichia pastoris)はCys残基の数が多いペプチドの発現にも多くの実績があるため、この発現ベクターpPICZにcDNAをサブクローニングして、培養液中に分泌させる形での組換え体の発現に取り組んでいる。 OTLP1については化学合成による取得も目指している。OTLP1は66残基の長さをもつため、逐次延長法による合成は難しい。そこで、ペプチドを半分程度に分割して合成し、それらを縮合して全長ペプチドを得ることとした。本手法による合成の結果、全長ペプチドの生成が確認できた。しかしながら、縮合位置付近で副反応が多く見られたことから、縮合位置の再検討が必要であることが分かった。 また、我々はOTLPの立体構造について、Cys残基の架橋様式の違うサソリ神経毒型とカエルプロテアーゼ・インヒビター型を当初、想定していた。どちらの立体構造が正しいかを検証するためにAlphaFold2を用いてOTLPの立体構造予測も行い、Cys残基の架橋様式についても検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、今年度中にOTLPペプチドを取得する予定であったが、組換え技術及び化学合成でモリアオガエル泡巣の構成ペプチドOTLP(Oviduct Toxin-Like Peptide)の取得が完了しておらず、生理活性の確認段階に進んでいない。全体的に計画に比べて本プロジェクトは遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
早急に、組換え技術及び化学合成でモリアオガエル泡巣の構成ペプチドOTLPの組換え体を取得し、この組換え体によりミルワームを用いた殺虫活性の確認を行った後、電気生理によるイオンチャネル阻害活性、プロテアーゼ阻害活性などを測定したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定よりも研究計画が遅れており、その分の支出額が減少した。
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