• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

ダイズの着生根粒菌種を制御するQTLの同定と農業形質への影響

研究課題

研究課題/領域番号 22K05571
研究機関京都大学

研究代表者

寺石 政義  京都大学, 農学研究科, 准教授 (80378819)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードダイズ / 根粒菌
研究実績の概要

ダイズ染色体18番に検出された着生根粒菌種比率に関わるQTLについて、集団をさらに大きくしてQTL領域での組換え個体を検出することが困難であるため、発現解析によってQTL領域で発現量に大きな差がある遺伝子を探索することにした。両親(Pekingおよびタマホマレ)を土に播き、発芽後1か月の植物から根をサンプリングし、RNAを抽出してRNAseqを行った。DEG解析をして、QTL領域に座乗する遺伝子について発現量を比較したところ、一つの遺伝子のみが、両親間で大きく異なっていた。この遺伝子は a nucleotide-binding siteおよleucine-rich repeats (NBS-LRR)ドメインをもつR遺伝子の特徴を有していた。レファレンスゲノムであるWilliams82では80%以上の相同な配列をもつ3つのNBS-LRR遺伝子が縦列に繰り返して存在するが、他の2遺伝子は両親間で発現量の差異が認められなかった。QTL解析とRNAseq解析の結果から候補遺伝子を一つに絞り込むことができた。
コアコレクションを供試して着生根粒菌種比率に関するGWAS解析を行った。MLMM(混合線形モデル)によるGWASでは、7個のMTAs(Marker-trait associations)が検出されたが、周囲マーカーと強い連鎖不平衡を観察できたのは3個であり、特に染色体3番のMTAの形質への寄与率は25%であった。BLINKによるGWASでは6個のMTAsが、周囲マーカーと強い連鎖不平衡を持っており、特に染色体10番のMTAの閉室への寄与率は30%であった。高い寄与率をもつこれら2つのMTAについて詳細な解析を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

RNAを解析することによって、QTL領域の中から、候補遺伝子を1つに絞ることが出来た。これらの状況から研究は順調であると判断できる。

今後の研究の推進方策

当初予定している計画に変更はないが、候補遺伝子について相同性の高い配列をもつ遺伝子がQTL領域に複数存在するため、形質転換による候補遺伝子の相補性試験の実施が困難かもしれない。突然変異体の作成を進めることも検討したい。

次年度使用額が生じた理由

RNAseqの解析外注費として計上していたが、自力で解析ができたため、解析費用が当初見込みより少なくなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 圃場環境下におけるダイズの根粒菌種親和性の遺伝子単離に向けて2023

    • 著者名/発表者名
      寺石政義
    • 学会等名
      近畿作物育種研究会
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi