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2023 年度 実施状況報告書

「聖護院ダイコン」の根こぶ病抵抗性機構に関わる遺伝子の同定と分子育種への展開

研究課題

研究課題/領域番号 22K05582
研究機関宇都宮大学

研究代表者

房 相佑  宇都宮大学, 農学部, 教授 (50302443)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワードRsCR1 / 根こぶ抵抗性 / 種・属間交雑 / 分子育種
研究実績の概要

本年度は、キャベツ類(B. oleracea, CCゲノム) と‘聖護院ダイコン’由来の根こぶ病抵抗性をもつ B. napus系統(CR-B. napus, AACCゲノム)との交雑組合せにおいて胚救済による雑種 F1植物の作出を試みとともに、培養経由の育成個体における根こぶ病抵抗性検定方法を検討した。その結果、25の組合せ1,024個の子房から72個体の雑種 F1植物を作出した。二倍体および四倍体 B. oleracea を花粉親に用いた組合せにおける後代の作出率は、二倍体で約4.6%を、四倍体では約3.6%を示した。培養経由後代に対して「病液10ml・2回接種40日検定」および「病土・病液10ml接種40日検定」を行った結果で、13個体がDI=2-1のやや抵抗性を、22個体がDI=2-2のほぼ罹病性を、16個体がDI=3の完全罹病性を示した。さらに、培土移植30日後には、2個体がDI=2-1、14個体がDI=2-2、40個体がDI=3と判断された。「病液10ml・2回接種70日検定」を行った結果では、6個体がDI=2-2、10個体がDI=3を示し、順化40日後で観察した時よりもDI=3の割合が増加した。また、二基三倍体および二基四倍体の雑種 F1植物について根こぶ病抵抗性を比較したところ、二基三倍体では31個体中2個体がDI=2-1、9個体がDI=2-2、その他の個体はDI=3を示し、二基四倍体では28個体中8個体がDI=2-2、他の個体はDI=3を示した。一方、上記3通りの新規接種法において比較系統であるキャベツ類は全てDI=3を示した。今後、やや抵抗性を示した雑種後代を用いキャベツ類の抵抗性系統を作出する際には、RsCR1とAゲノムやCゲノムのもつ既存の抵抗性遺伝子との最適な組合わせをデザインすることが求められる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

培養経由の育成個体での抵抗性検定において‘CR-B. napus’ほど高い抵抗性を示す個体は得られず、また多くの個体で培土移植30日後に病症の進行がみられた。DI=0を示す ‘CR-B. napus’の抵抗性は‘聖護院ダイコン’のもつRsCR1とアブラナ属栽培種のAゲノムやCゲノムのもつ抵抗性遺伝子との相互作用の結果であると考えられることから、本研究で作出された雑種後代においてやや抵抗性を示したDI=2-1の個体は‘CR-B. napus’からRsCR1は導入されたが、AゲノムやCゲノムのもつ抵抗性遺伝子の欠如が考えられる。今後、キャベツ類の抵抗性系統を作出するための雑種後代を育成するとともに、培養由来後代における新規の検定方法を開発した。

今後の研究の推進方策

作出された雑種後代においてやや抵抗性を示したDI=2-1の個体は‘CR-B. napus’からRsCR1は導入されたが、AゲノムやCゲノムのもつ抵抗性遺伝子の欠如が考えられる。今後、やや抵抗性を示した雑種後代を用いキャベツ類の抵抗性系統を作出する際には、RsCR1とAゲノムやCゲノムのもつ既存の抵抗性遺伝子との最適な組合わせをデザインすることが求められることから、様々な抵抗性を持つキャベツ類との雑種後代を育成するとともに、根こぶ抵抗性後代の検定を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 胚救済による種間雑種後代の育成と順化時の根こぶ病抵抗性の検定2024

    • 著者名/発表者名
      小倉輝之・大西孝幸・房 相佑
    • 学会等名
      日本育種学会

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公開日: 2024-12-25  

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