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2022 年度 実施状況報告書

無花粉変異体の解析による超日持ち性ガーベラの作出

研究課題

研究課題/領域番号 22K05628
研究機関静岡大学

研究代表者

富永 晃好  静岡大学, 農学部, 助教 (50776490)

研究分担者 磯部 祥子  公益財団法人かずさDNA研究所, 先端研究開発部, 室長 (20343973)
中塚 貴司  静岡大学, 農学部, 教授 (60435576)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードガーベラ / 突然変異 / 日持ち / 無花粉 / 全ゲノム解析 / トランスクリプトーム解析
研究実績の概要

ガーベラはキク科ガーベラ属の多年生植物であり、花色や花形が豊富で世界的に人気の高い花卉である。ガーベラは日本においても代表的な花卉であり、特に静岡県はガーベラの全国出荷量の約40%のシェアを有する全国一の産地である。我々は世界で初めてイオンビーム照射によるガーベラの突然変異体作出技術を確立しており、得られた無花粉変異体は「日持ち性」の大幅な向上が見られた。一方で、この変異体は花が小さい、花弁変形、収量低下などの負の変異も併発しており、育種材料としては不適であった。しかしながら、無花粉変異体の原因遺伝子とメカニズムを同定できれば、既存品種の形質を変えずに日持ち性を付与することができるのではないかと考えた。ヒマワリ等の他の花卉においては、無花粉の形質は日持ち性向上につながり、花粉へのカビの発生と花粉飛散による汚れもないことから商業的価値が高く、様々な花卉で実用品種として流通している。そこで本研究では、無花粉変異体の表現型解析と分子メカニズム解析を実施することで、元品種の形質を損なわない超日持ち性ガーベラを作出することを目的とする。
当該年度においては、「先進ゲノム解析研究推進プラットフォーム(第2期先進ゲノム支援)」に採択していただき、ガーベラの参照ゲノムの整備を実施した。野生型ゲノムのGenome Scopeによる解析の結果、ゲノムサイズは約2.4Gbpと推定され、公開されているDBの1C=2.5 Gb (https://cvalues.science.kew.org/)と同様であることが確認された。また、RNAseqによる網羅的な発現解析を実施し、変異体特異的な遺伝子発現メカニズムを分析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当該年度の研究では、当初の計画に加え、「先進ゲノム解析研究推進プラットフォーム(第2期先進ゲノム支援)」に採択していただき、Hi-CリードとHifiリードを用いたより高精度なガーベラ参照ゲノム配列の整備と原因遺伝子の探索を進行中である。また、RNA-seqによるトランスクリプトーム解析も完了し、分子メカニズム解析も順調に進行中である。

今後の研究の推進方策

ガーベラが属するキク科植物は、キクタニギク、レタスおよびヒマワリなどの全ゲノム解読が報告されているが、キク科植物はゲノム構造が複雑な傾向にあり、染色体構造レベルまで整備されたキク科のゲノムデータベースはない。
今後は、引き続きガーベラの参照ゲノム配列の整備を進め、その後、全ゲノム解析による無花粉ガーベラ変異体の原因候補遺伝子の同定・機能解析を行う計画である。原因遺伝子のマッピングについては、現在戻し交雑集団と自殖集団を作成中であり、野生型形質と変異型形質のバルク間で異なるゲノム領域を絞り込む予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍の影響で当初予定していた学会参加がオンライン開催になったものがあり、その分の旅費の一部が次年度使用額として生じた。翌年度の国際学会で本研究内容について発表予定であり、当該旅費として、翌年度分として請求した助成金とあわせて使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] イオンビーム照射で得られたガーベラ変異体におけるGRAS-Di技術を用いたDNAマーカーの作出2022

    • 著者名/発表者名
      富永 晃好, 駒澤ひなた, 細口 知椰, 八幡 昌紀, 下川 卓志
    • 雑誌名

      DNA多型

      巻: 30 ページ: 1-5

    • 査読あり
  • [学会発表] ガーベラの分子基盤構築と無花粉変異体の解析による超日持ち性ガーベラの作出2023

    • 著者名/発表者名
      富永晃好
    • 学会等名
      「先進ゲノム支援」拡大班会議

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公開日: 2023-12-25  

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