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2022 年度 実施状況報告書

気孔侵入型病原菌による宿主の気孔密度操作を伴うシステミックな感受性誘導機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K05651
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

舘田 知佳  奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (30774111)

研究分担者 上杉 祥太  公益財団法人岩手生物工学研究センター, 生物資源研究部, 主任研究員 (30795901)
藤崎 恒喜  公益財団法人岩手生物工学研究センター, 園芸資源研究部, 主任研究員 (30626510)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード感受性誘導 / システミック
研究実績の概要

気孔侵入型の病原体による非感染葉での感受性誘導(Systemic-induced susceptibility;SIS)メカニズムの解明を目的として研究を行った。本年度は、パターン誘導性免疫やエフェクター誘導性免疫に関わることがすでに知られている各種シロイヌナズナ変異体および病原菌感染時に非感染葉で抵抗性が誘導される全身獲得抵抗性(Systemic acquired resistance;SAR)関連シロイヌナズナ変異体を用いて、SIS関連植物因子を探索した。多くの変異体ではSIS誘導が抑制されていたが、SAR関連変異体の一部では野生型と同レベルでSISが誘導されていた。さらに、一部のパターン認識受容体の欠損変異体では、SIS誘導が抑制されているばかりでなく、SARが誘導されるという興味深い表現型を示すものも存在していた。今後、EMS変異体を用いたスクリーニングも行い、そこから得られる候補因子とともに、これらの因子について詳細な機能解析を行う。
また、SISに最適な環境条件について、1/2MS培地で生育したシロイヌナズナを用いて検証した。糖類の有無によりSIS誘導レベルが変動する可能性が示唆された一方で、リン濃度については、少なくとも1/2MS培地で生育した植物体ではSISに大きな影響を与えないことが示唆された。さらに、リンドウの生育培地内の糖濃度の違いが、リンドウ葉枯病菌によるリンドウへのSIS誘導レベルに影響を及ぼすことも確認した。これらのことから、シロイヌナズナとリンドウという異なる植物のSIS誘導に共通して影響を与える環境要因の一つとして、糖濃度が影響していると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の研究計画内で軸となっている各種変異体を使用したSIS関連因子の探索は、当初の予定通り進行した。また、SISに最適な環境条件の検証についても、予定通り進行していることから、本年度の研究進捗状況については、概ね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

SIS誘導が抑制されたシロイヌナズナ変異体の探索から得られた変異体のうち、SARが誘導されていた変異体に着目し、SIS誘導条件下での野生型との比較トランスクリプトーム解析およびメタボローム解析を行う。また、EMS変異体を用いたSIS誘導抑制変異体の網羅的な探索も同時に行なっていく。これらから得られたSIS関連候補因子について、リンドウでの挙動解析およびゲノム編集体の作成に着手する予定である。

次年度使用額が生じた理由

サンプル調整の遅れにより、岩手生物工学研究センターで実施予定であった実験計画を、次年度に遂行する計画へと変更したため、旅費として計上していた費目で次年度使用額が生じた。また、同様の理由により、消耗品費についても次年度使用額が生じているが、これらの実験遂行に次年度使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] リンドウ畑発の基礎研究を目指して2022

    • 著者名/発表者名
      藤﨑恒喜, 舘田知佳, ドミンゲズ ジョン, 関根健太郎, 西原昌宏
    • 雑誌名

      植物感染生理談話会論文集(ISN 1345-8086)

      巻: 第56号 ページ: 97-105

  • [学会発表] 花きの病害防除機構の分子生物学的理解と育種への応用2022

    • 著者名/発表者名
      舘田知佳
    • 学会等名
      令和4年度園芸学会秋季大会シンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] リンドウ畑発の基礎研究を目指して2022

    • 著者名/発表者名
      藤﨑恒喜
    • 学会等名
      令和4年度(第56回)植物感染生理談話会
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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