研究課題/領域番号 |
22K05656
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
石川 敦司 福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (70264687)
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研究分担者 |
鈴木 孝征 中部大学, 応用生物学部, 教授 (50535797)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 非宿主抵抗性 / 葉齢 / 転写因子 / 翻訳因子 |
研究実績の概要 |
私たちは令和3年度までに、植物の葉齢依存的な非宿主抵抗性制御因子を同定するために、シロイヌナズナ cyp79b2 cyp79b3 変異体にイネFOXライブラリーを導入した系統のスクリーニングを行い、コントロールに対して異常な葉齢依存的非宿主抵抗性を示すC2-35ラインを単離した。C2-35ラインは葉齢依存的な表現型として古い葉において強い非宿主抵抗性を示した。またC2-35ラインにおいてはイネHD-Zip I の一つであるHOX6が導入されていた。イネHOX6のシロイヌナズナにおけるホモログはAtHB7およびAtHB12であることから、AtHB7およびAtHB12がシロイヌナズナの葉齢依存的な抵抗性制御に関与していることが示唆された。そこで令和4年度は、シロイヌナズナの葉齢依存的な抵抗性制御におけるAtHB7およびAtHB12の機能を明らかにするためにC2-35ラインならびに AtHB7 および AtHB12 の変異体および過剰発現体を用いて下記の詳細な解析を行った。1. C2-35ラインにおけるイネいもち病菌に対する非宿主抵抗性の解析、2. C2-35ラインにおける非適応型サクラ炭疽病菌に対する非宿主抵抗性の解析、3. C2-35ラインにおける適応型アブラナ科炭疽病菌に対する宿主抵抗性の解析、4. AtHB7およびAtHB12の変異体および過剰発現体における適応型アブラナ科炭疽病菌に対する宿主抵抗性の解析。これらの解析から、シロイヌナズナのAtHB7およびAtHB12は、葉齢依存的かつ接種時刻依存的な抵抗性制御に関与することが示唆された。
また、HOX6、AtHB7、およびAtHB12とは異なる葉齢依存的な非宿主抵抗性制御因子である転写コアクチベーターおよび翻訳因子については、それぞれの変異体を用いたRNAseq 解析を行った。その結果、転写コアクチベーターおよび翻訳因子が制御していると予測される遺伝子を複数同定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究により、シロイヌナズナの病原菌に対する抵抗性において、HD-Zip I のAtHB7およびAtHB12が、葉齢依存的および接種時刻依存的な制御因子として機能していることを明らかにした。
さらにRNAseq 解析により、シロイヌナズナの葉齢依存的な非宿主抵抗性制御因子である転写コアクチベーターおよび翻訳因子について、それらが制御していると予測される遺伝子を複数同定した。
以上の結果から、到達目標通りの成果を上がることができたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
研究は順調に進展しており、今後もさらに本研究を推進させていく予定である。 来年度は、AtHB7およびAtHB12による葉齢依存的および接種時刻依存的な転写制御について明らかにしていく予定である。
また転写コアクチベーターおよび翻訳因子による葉齢依存的な抵抗性制御についても、それぞれの標的遺伝子を明らかにしていきたい。
これら解析により、葉齢依存的な抵抗性制御が明らかになると期待される。
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