研究課題/領域番号 |
22K05660
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
浅水 恵理香 龍谷大学, 農学部, 教授 (00370924)
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研究分担者 |
白澤 健太 公益財団法人かずさDNA研究所, 先端研究開発部, 室長 (60527026)
野中 聡子 筑波大学, 生命環境系, 助教 (50580825)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | サツマイモ形質転換 / ネコブセンチュウ超ロングリードシークエンス |
研究実績の概要 |
2023年度には、サツマイモ遺伝子機能解析基盤となる、形質転換系を検討した。サツマイモの形質転換には胚性カルスが高効率で形成されることが条件となるが、品種による効率の差が予想された。そこで、本研究の対象品種の胚性カルス形成能を調べた。サツマイモ6品種(’農林1号’、’農林2号’、’種子島紫7’、’エレガントサマー’、’ジェイレッド’、’鳴門金時’)の滅菌した節を固形培地 (1/2 MS, 0.5% スクロース) に挿し、人工気象器で培養した。ある程度生育させた後、茎頂部分を1 mm程度切り出し、カルス誘導培地 (1/2 MS, 0.5% スクロース, 1mg/L 4-FA) に移植した。茎頂切片から誘導された細胞塊に胚性カルスに特徴的な黄色い細胞塊がある場合、1とカウントした。その結果、胚性カルス形成能が高いとされる高系14号としての`鳴門金時’では63.6%であったのに対して、’農林2号’と’種子島紫7’では50%程度、’エレガントサマー’と’ジェイレッド’では20%程度、’農林1号’は最も低く、6.7%だった。カルスが得られた品種から、線虫感染応答遺伝子の機能解析のための形質転換を進めている。 我々のこれまでの研究によって明らかとなったサツマイモネコブセンチュウゲノムに存在する「感染ホットスポット」のハプロタイプ解析を進めた。他の研究グループが新たに公開した超ロングリードシークエンスアセンブルとの比較から、いずれのアセンブルからもハプロタイプのミスアセンブルが検出されることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
サツマイモの形質転換について、上記のとおり進展した。 ネコブセンチュウゲノムハプロタイプ解析について、これまでのデータを解析することで問題点を明らかにし、次の方針を決めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
サツマイモの感染応答遺伝子の機能解析について、レポーターシステムを用いたプロモーター解析を行うことで、感染時の空間的発現パターンを明らかにする。また、ゲノム編集技術を用いた遺伝子ノックアウト表現型の解析に着手する。 ネコブセンチュウゲノムのハプロタイプ解析については、染色体の立体構造を反映したHi-Cデータを蓄積し、構造を明らかにすることを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度超ロングリードシークエンスを行うための資金とするため。
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