研究実績の概要 |
モノソミー個体の獲得に必要なSy雌とre9もしくはYs11雄を交配した越年卵からは2022年春、即時浸酸卵からは2022年夏にそれぞれF1卵を孵化させた。「遅れ小蚕」は、成長のみならず孵化も遅れることを見出しており、初発から3日目以降の個体を飼育した。飼育において成長不良の小型個体を選抜飼育した。第8(Met1)と第15染色体(RpL5)を参照し、第2染色体上の23プライマーによるreal time qPCR系を確立した。5プライマーによる1次スクリーニングで、Syの第2染色体小断片を含む「ニセモノ」の検出を行ったところ、春世代に3個体(Syr02, 05, 07)、夏世代に3個体(SyYs38, 39, 41)が認められた。確立された23プライマー検定によりモノソミーと判定されたのはSyr03のみだった。本雄個体に複数のp50雌を交配し、得られた次世代のうち3系統のモノソミーを得た。これらモノソミー(3096, 310, 314)雄はp53雌と交配し、越年卵として保存中であり、来春に飼育予定。系統維持中であったSyr09とSyr16のF3とF4世代にもモノソミー個体とともにそれぞれのモノソミー後代にさまざまな部分復帰(部分モノソミー)個体が検出された。このうち、1612モノソミー系統の後代より染色体標本を作製した。標本作成済みの個体のqPCR解析によりモノソミー個体と部分モノソミー個体が確認されている。これら部分モノソミー個体について復帰予測部位配列を含むBACプローブを選定し、FISH解析を進めている。 Syについて染色体標本を作製し、W、Z、第2のBACプローブによるFISHを実施し、2分したWの他方へ転座している染色体特定を行った。その結果、第24染色体が関連していることが判明した。
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