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2022 年度 実施状況報告書

侵略的外来哺乳類の個体数抑制のための卵透明帯由来避妊ワクチン抗原の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K05689
研究機関岐阜大学

研究代表者

淺野 玄  岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (30377692)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード外来種 / 避妊 / ワクチン / 卵透明帯 / アライグマ
研究実績の概要

我々は、アライグマの個体数抑制手法として卵透明帯(ZP)を抗原とする避妊ワクチン開発を試みてきた。これまで、アライグマZP構成蛋白質の1つであるZP3の塩基配列は解読済であるが、ZP3以外のZP由来ワクチン抗原候補検索のため、未解明のアライグマZP2の存在の証明および塩基配列の解読を試みた。アライグマの卵巣から定法に従ってtotal RNAを抽出し、逆転写反応を行いcDNAを得た。種特異性が低いとされるZP2のプライマーを参照してプライマーを設計してPCRを行い、定法に従って産物を精製してシーケンス解析を行い、塩基配列の解読を試みた。PCRおよび電気泳動の結果、バンドが確認されたものの、塩基配列の解読には至らなかった。これまで、アライグマ科、レッサーパンダ科、スカンク科以外のイヌ亜目の動物ではZP2の存在が報告されていることから、これらの科を含むイヌ亜目の動物はZP2を保有している可能性が高いと推察される。過去の研究において、イヌやネコ、ハイイロアザラシのZP2の塩基配列を基に作成したプライマーではバンドの確認には至らなかったが、今回の実験で作成したプライマーでは、バンドの確認に成功した。イタチ科であるオコジョのZP2塩基配列に由来するプライマーセットでもバンドが検出されたことから、今回設計したプライマーの配列部位はアライグマとイタチ科動物間での相同性が高いと考えられる。アライグマの個体数抑制のための経口避妊ワクチンはベイト型の野外散布を想定としている。そのため、今回設計した配列を抗原に含むワクチンは、オコジョを含むイタチ科動物が摂食した場合にも繁殖を抑制するリスクがある。今後も、アライグマZP2および部分配列解読にとどまっているZP4の全塩基配列を解読し、種特異性および抗原性の高いワクチン抗原候補部位の検索を続ける必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

免疫実験に適した時期の生体捕獲調査で動物実験に必要な数の個体が入手できなかった、飼育実験の開始が遅れている。

今後の研究の推進方策

アライグマを中心に継続してZP2およびZP4のゲノム解析を進めてワクチン抗原の開発を進める。それらの結果をもとに、これまで十分な免疫効果が得られなかったワクチン抗原候補に代わる新たな抗原候補を開発し、生体実験による効果の検証を行う。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19感染拡大により、国内野外調査の実施や捕獲個体からの材料採取に支障生じるなど、研究費が計画通り使用できなかった。2023年度以降、順次野外調査を実施して研究を進めるとともに、得られた成果の発表・公表を進める。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Current status and issues of immuno-contraceptive vaccines on management of invasive alien mammals2023

    • 著者名/発表者名
      Asano, M.
    • 学会等名
      Advances in Management of Invasive Alien Mammals 2023
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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