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2023 年度 実施状況報告書

里山広葉樹林のきのこ原木と腐葉土の複合利用再開に向けたナラ類の放射性セシウム評価

研究課題

研究課題/領域番号 22K05724
研究機関宇都宮大学

研究代表者

大久保 達弘  宇都宮大学, 農学部, 教授 (10176844)

研究分担者 飯塚 和也  宇都宮大学, 農学部, 教授 (20344898) [辞退]
逢沢 峰昭  宇都宮大学, 農学部, 准教授 (70436294)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード放射性Cs移行過程 / きのこ原木生産 / 腐葉土生産 / 暫定許容値 / きのこ原木落葉利用再開予測 / 安定同位体セシウム(133Cs)
研究実績の概要

福島第一原子力発電所事故に伴い放出・沈着したセシウム137(以下、137Cs)による里山落葉広葉樹林のナラ類林の生態系サービにおいて暫定規制値が設定されている。腐葉土生産ときのこ原木生産に供するナラ類広葉樹林の林床落葉と立木樹幹の放射性Cs蓄積に焦点を絞り、落葉樹林生態系での放射性Cs移行過程を解析することにより、福島原発事故後の初期段階以降の準平衡段階に移行しつつある時期における放射性Csの樹体、枝葉並びに堆積有機物層(A0層)を含めた森林生態系における循環過程を明らかにする。特にナラ類の樹冠部の枝葉を用いて放射能汚染地域における落葉由来腐葉土ときのこ原木の両方の採取利用再開予測モデルを構築すること、またその空間変動を明らかにすることによって両者利用再開のための地域予測モデルの構築を本研究の目的とする。そこで初期沈着量の異なる県内13地域においてコナラ樹上枝葉、樹幹、落葉および表層土壌を採取し、コナラの部位間の137Cs濃度(ガンマ測定値から推定)・133Cs濃度(固体AAS測定)の関係、133Cs濃度からの樹幹・落葉の137Cs濃度の推定について検討を行った。樹体内での137Cs濃度分布は樹上葉と樹皮で特に高く、おおむね初期沈着量に比例して樹体の137Cs濃度が高くなる傾向があった。また部位間の133Cs濃度・137Cs濃度の比ではそれぞれ正の相関がみられ、樹体内での137Csの分布が133Csの分布に似ていることから、平衡状態に近づいていることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今回拡大した13地点の測定結果から、コナラ立木の樹上葉と樹幹・落葉との間で線形回帰分析ではデータの当てはまりが良かった。このことから、樹上葉の濃度から樹幹・落葉の濃度が推定可能であるとの判断に至ったため。

今後の研究の推進方策

コナラ立木の137Csの樹上葉と樹幹・落葉の関係性の普遍化のため、栃木県内の高濃度から中濃度地域13地点を選定し、現地調査を実施して解析した、その結果について、さらに精緻化していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

当初の予定より旅費および人件費がかからなかったため、使用計画としては、これまで収集したデータ、試料の整理、データベース化、保管のための経費として使用する予定。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] コナラ樹体および落葉の放射性セシウム分布と空間変動2024

    • 著者名/発表者名
      濵上百々 ・ 池本萌衣・ 逢沢峰昭・ 飯塚和也・ 大久保達弘
    • 学会等名
      日本森林学会大会(東京農大)
  • [学会発表] 林床管理の違いが分解にともなう落葉中の放射性セシウム濃度に及ぼす影響2024

    • 著者名/発表者名
      市川貴大 ・逢沢峰昭 ・大久保達弘
    • 学会等名
      日本森林学会大会発表、135
  • [学会発表] Restoration of contaminated Korana oak (Quercus serrata) coppice forests to resume leaf litter origin compost production after Fukushima Nuclear Power Plant Accident2023

    • 著者名/発表者名
      Ohkubo,T.,Hamagami,M.,Aizawa,M.,Iizuka,K.
    • 学会等名
      2023 International Symposium on Forest Conservation and Ecosystem Restoration in Asia 22nd Sept. 2023.,Goseong, Korea.
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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