研究課題/領域番号 |
22K05748
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
廣部 宗 岡山大学, 環境生命科学学域, 教授 (20363575)
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研究分担者 |
三木 直子 岡山大学, 環境生命科学学域, 教授 (30379721)
松本 哲也 岡山大学, 環境生命科学学域, 特任助教 (80876243)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 海岸砂丘林 / ベトナム / 生理生態特性 |
研究実績の概要 |
戦争と過度利用により植生が大幅減少したベトナム中南部の海岸砂丘では、速やかな植生回復のため、これまで主にアカシアなどの外来種植林が行われてきた。近年、生物多様性保全の面から在来種植林も開始されているが、在来樹種の生理生態的特性などは把握されておらず、防災・減災を含む様々な生態系サービスが総合的・持続的に発揮できるかは不明である。本研究では、ベトナム海岸砂丘に自生する在来樹種と外来2種の生理生態的特性を明らかにするとともに、残存する在来種海岸林と外来種からなる従来型のベトナム海岸砂丘植林地の生態的特性を把握することを目的として、(1)ベトナム海岸砂丘に自生する在来樹種と外来種の苗木を用いたポット栽培試験による水利用特性を含む生理生態学的特性の評価、(2)ベトナム海岸砂丘に残存する在来種海岸林と外来種からなる従来型植林地の植生構造および食物連鎖長の評価を開始した。 (1)および(2)を開始するにあたり、ベトナム中部のクアンビン省、クアンチ省およびトゥアティエン=フエ省の海岸砂丘を事前踏査した。事前踏査結果を踏まえて現地共同研究者と議論し、(1)については、在来種海岸林における優占種だけでなく、希少種および有用種も含んだ在来樹種7種と従来型植林に用いられている外来種1種を選定して苗木を育苗し、各樹種20本を栽培ポットに移植して実験圃場におけるポット栽培試験の準備を整えた。(2)については、各省で在来種海岸林と従来型植林地に生態特性比較調査候補地を選定したが、現地調査には取り掛かることができていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
原油価格の高騰や円安、および日本国内の新型コロナ感染状況のため、7月下旬から8月上旬に計画していたベトナム現地調査の期間を最低限とせざるを得なかった。このため、現地野外調査について遅れを生じている。
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今後の研究の推進方策 |
遅れを生じている現地野外調査について、事前に協力研究者と緊密に連絡を取り本年度において効率的に遂行するとともに、事前の計画に基づいて圃場でのポット栽培試験を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗にやや遅れを生じていること、および世界的な半導体不足により購入を計画していた物品の納期が不明となったことにより次年度使用が生じた。本年度における研究の遅れ解消と購入計画物品の購入により適正に使用する。
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