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2022 年度 実施状況報告書

メタゲノミクス・カルチュロミクスによる魚類体表微生物の機能的特徴の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K05792
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

竹内 美緒  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (20357403)

研究分担者 永田 恵里奈  近畿大学, 農学部, 講師 (20399116)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード魚類体表 / 微生物 / 付着 / 粘液
研究実績の概要

本研究では、メタゲノム解析により魚類体表細菌の機能的特徴を推定すると共に、魚類体表への細菌の定着性に関する機能について、飼育実験による評価を予定している。実験の都合により、後半に計画していた内容を前半に実施することになった。22年度は、魚類体表微生物の魚類体表への定着性の評価を実施した。アユの体表粘液から体表常在菌の培養を行なった。数種類の魚類体表細菌を選択し、定着性に関する飼育実験を行なった。魚類体表細菌をアユ稚魚の水槽に添加した。止水にして24時間菌株に暴露した。その後、水替えののち流水飼育を再開、一定期間ののちに魚から体表粘液を取得した。体表粘液からDNAを抽出し、リアルタイムPCRや16S rRNA遺伝子を対象にしたアンプリコン解析を実施した。その結果、菌株Aにおいては、暴露終了後2日後には体表粘液中の微生物叢の17%を占めていた。暴露終了後6日後には全体の2%と減少していたが、体表粘液中に残存していることが確認された。一方で菌株Bにおいては、2日後には0.02%、 6日後には0.2%であり、検出されたものの存在量は少なかった。以上より、魚類体表への定着性の高い株と低い株を得ることができた。今後はこれらについて詳細なゲノム解析を進めていく予定である。またこれらの菌株については魚類への毒性は確認されなかった。近年、魚類体表細菌叢コントロールによる魚類の健康管理技術開発が注目されているが、本研究成果はそのために重要な基礎知見を与えるものになる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

都合により前半の予定と後半の予定を逆にすることになったが、概ね順調に進展している。特に、予定通り定着性の高い株と低い株が得られたことから、今後はこれらのゲノム比較により有益な情報が得られることが期待できる。

今後の研究の推進方策

今後はこれまでに得られた試料について、主にゲノム・メタゲノム解析を実施し、得られたデータのバイオインフォマティクス解析を中心に進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

外注分析費が予想より値下げされたため、また消耗品購入に値引きがあったため、79,358円の残額が生じた。残額は次年度の外注分析費の一部として使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [学会発表] バイオコントロールによる冷水病予防の検証2023

    • 著者名/発表者名
      辻尾匠、永田恵里奈、竹内美緒
    • 学会等名
      日本水産学会
  • [産業財産権] 体表細菌叢コントロールによる魚類における細菌感染症の抑制技術2023

    • 発明者名
      産総研 竹内美緒、近大 永田恵里菜
    • 権利者名
      国立研究開発法人産業 技術総合研究所、近畿大学
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      出願番号:2023-026029

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公開日: 2023-12-25  

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