研究課題/領域番号 |
22K05801
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
川村 嘉応 佐賀大学, 農学部, 招へい教授 (30601603)
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研究分担者 |
永野 幸生 佐賀大学, 総合分析実験センター, 准教授 (00263038)
木村 圭 佐賀大学, 農学部, 准教授 (30612676)
三根 崇幸 佐賀県有明水産振興センター(ノリ研究担当及び資源研究担当), ノリ研究担当, 係長 (50601613) [辞退]
野口 浩介 佐賀県有明水産振興センター(ノリ研究担当及び資源研究担当), ノリ研究担当, 係長 (20562705)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 赤色LED / PVCフィルム |
研究実績の概要 |
1)PVCフィルム(600nm以下波長カット・フィルム)によるノリの殻胞子放出抑制:Neopyropia sp.のカキ殻糸状体を対照(30および300マイクロmol/m2/s )と3種類のフィルム(ライトアナライザー測定波長ピーク624(A)、623(B)、621nm(C)(30マイクロmol/m2/s))を用いて既報(川村ら、2021)に準じて放出殻胞子数を計測し比較した。フィルムA、BよりもフィルムCで抑制された。赤色LEDを使えば、放出処理条件下に置いて7~9日でも放出はほとんどなく、これを通常の光源に移しても放出は数日はみられない(成熟は進まない)が、今回の試験ではフィルムを取り除いてLED白色灯に移すと、翌日、2日後に殻胞子が放出された。つまり今回の試験に供したPVCフィルムのように660nm以下ピーク光では、胞子の成熟は赤色LEDのように明瞭には抑制されないと考えられた。抑制効果の程度が小さいことは成熟の段階別顕微鏡観察でも確認された。 2)自然水温条件下における赤色LED光によるノリの殻胞子放出抑制:自然水温条件下に静置したNeopyropia sp.のカキ殻糸状体を、対照、暗黒条件および赤色LED照射(100マイクロmol/m2/s)条件において、既報(川村ら、2021)に準じて放出殻胞子数を計測し、比較した。自然水温下における試験(暗黒、赤色LED照射)の結果、室内条件のような水温管理ができていないため放出抑制水温26℃を経過し、放出への影響が光か水温かの判定か明瞭でなく、しかも放出数についても対照、暗黒条件と赤色LED照射条件との差は1日しかなく抑制効果の程度としては小さかったと考えられた。 3)カキ殻糸状体からのDNA抽出:現在、抽出条件を検討中。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
進捗状況については、おおむね順調であり、次年度計画への課題の整理もされている。
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今後の研究の推進方策 |
1)PVCフィルム(600nm以下波長カット・フィルム)によるノリの殻胞子放出抑制:PVCフィルムの使用により一定程度の抑制は可能であるため、更なる実験をしたい。 2)自然水温条件下における赤色LED光によるノリの殻胞子放出抑制 :本実験では赤色LED下で50日間、暗黒下で27日間連続して培養しており、このような条件 下で長期間培養しても殻胞子放出能が失われないことが確認されたため、今後長期培養による実験を行いたい。 3)カキ殻糸状体からのDNA抽出:今年度カキ殻培による成熟度の詳細なる試験をおこなったので,それに基づきDNAの抽出を検討したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験計画で遺伝子解析に関連する執行がなかったためであり、次年度にはその試験計画が実行されるので予定通りの執行が可能である。
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