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2022 年度 実施状況報告書

ポリフェノール類の酵素阻害機能を利用したヒスタミン食中毒リスクの低減

研究課題

研究課題/領域番号 22K05829
研究機関北海道大学

研究代表者

山崎 浩司  北海道大学, 水産科学研究院, 教授 (40250500)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードヒスタミン食中毒 / ヒスタミン / ポリフェノール / ヒスチジン脱炭酸酵素
研究実績の概要

ヒスタミン産生菌の凍結・解凍処理による菌体からのヒスチジン脱炭酸酵素の漏洩に起因するヒスタミン生成についてRaoltella属(2株),Morganella属(2株)の4菌株について検討し,凍結・解凍処理の繰り返しによって菌体の破壊が進むとともに生菌数の減少も起こることを明らかにし,また,各段階における菌体を除去した培養上清のみによってもヒスタミンの生成が起こることを明らかにした。次に,M.psychrotoleranceの細胞を破壊して調製した粗ヒスチジン脱炭酸酵素(HDC)抽出液からのヒスタミン生成に及ぼす緑茶ポリフェノールの主要成分エピカテキン(EC),エピガロカテキン(EGC),エピカテキンガレート(ECG)およびエピガロカテキンガレート(EGCG))の影響を調べ,EGCGの作用によって粗HDC抽出液からのヒスタミン生成が強く阻害されることを明らかにした。また,海藻成分によるHDC活性の阻害効果の有無を調べるため,さまざまな時期および種類の海藻からメタノールで得た42種類の抽出液を使用し,M.morganiiの粗HDC抽出液からのヒスタミン生成への影響を調べた。その結果,2022年8月に北海道の沿岸で採集したアカバおよびカレキグサからのメタノール抽出液によってヒスタミン生成量が少なくなることを見出し,海洋由来成分にHDCを阻害する成分が含まれる可能性を示した。一方,これら海藻メタノール抽出液のM.morganiiに対する抗菌活性の有無も検討し,抗菌活性のないことも明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請時計画した研究内容については概ね実施し,予想していた通りの結果が得られている。したがって,現在までの研究進捗状況は概ね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

申請時に計画した研究内容に準じて,今後も実験を実施するとともに,得られた成果から本研究の最終目標に最も適した成果について中心に進展させる。

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公開日: 2023-12-25  

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