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2023 年度 実施状況報告書

長期的なアクセス条件が食生活に及ぼす影響と改善効果の検証

研究課題

研究課題/領域番号 22K05860
研究機関農林水産省農林水産政策研究所

研究代表者

高橋 克也  農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (20371015)

研究分担者 薬師寺 哲郎  中村学園大学, 栄養科学部, 教授 (20356306)
山本 祥平  農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (70806265)
丸山 優樹  農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (60832665)
船津 崇  農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (80967620)
玉木 志穂  農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (20914154)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード食料品アクセス / 高齢者 / フードシステム / エビデンス
研究実績の概要

食料品アクセス問題は、高齢者の食生活や健康といった個人やミクロ面にも悪影響を及ぼす、超高齢社会である我が国において早急に解決すべき重要な課題である。
本研究では、アクセスマップを応用してアクセス条件の変化が食生活に及ぼす影響とその改善効果を検証することを目的とするが、なかでも食料品アクセス問題が個人・ミクロ面に及ぼす影響に焦点をあて、所属機関での研究成果であるアクセスマップを応用した住民調査を実施することで、アクセス条件の変化を考慮した住民調査と食生活改善の提案に関する調査を行う。アクセスマップから抽出された過去10年、3時点でアクセス条件が大きく変化した地域について、各自治体のアクセス対策や社会経済要因等を考慮しながら住民調査を実施するとともに、自治体関係者等との協議調整後、高齢者を対象にした食事摂取頻度調査を組み込んだ住民調査を再度実施する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究では、アクセス条件の変化が食生活に及ぼす影響およびその改善効果を検証することを目的としており、2024年2月に所属機関において作成・公開された2020年食料品アクセスマップについては、これまでの傾向や地域特性等の地域類型化がやや遅れていものの、継続的調査地及び周辺自治体において食品摂取の多様性やIADL等の健康指標を含めた住民調査を実施した。
その結果、全体のおよそ3割で食料品の買い物に不便や苦労を感じていることあきらかになった。続いて、食料品の買い物の不便と食品摂取の多様性の関係では、不便の有無別では有意な差は確認されなかったものの、女性の単身世帯や男性の複数人世帯に比較して、男性の単身世帯では食料品の摂取頻度が低い傾向がみられた。このことから、高齢者の食料品アクセス環境の維持は重要であるとともに、単身男性世帯への食料品調達・摂取に関するサポートの必要性が示唆された。
本年、夏以降には継続的調査地及び周辺自治体において、食料品の購入方法や消費実態を含めた包括的な食料品アクセス環境に関する調査とともに、移動販売車の導入予定地域での購入形態や食品摂取・健康への影響についても検証する予定である。

今後の研究の推進方策

2020年食料品アクセスマップの推計結果から、アクセス条件の変化とともに地域特性に応じた詳細な地域類型から、住民調査結果について世帯属性など社会経済要因を含めたアクセス条件の変化要因と食生活や健康指標、主観的健康感やソーシャル・キャピタルとの関連について横断的に検証するともに、縦断的に地域および個人を包含したマルチレベル分析を試みる。

次年度使用額が生じた理由

本年度の住民調査について、現地自治体の協力から調査費用の大幅な節約が生じているが、次年度には別途調査ユニットでの大幅な支出が予定されている。

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 学会発表 (13件) 備考 (2件)

  • [学会発表] 「食料品アクセスマップと困難人口の推計について」2024

    • 著者名/発表者名
      高橋克也
    • 学会等名
      食品アクセス問題に関する関係省庁連絡会議
  • [学会発表] 「食料品アクセス問題の現在-2020年食料品アクセス困難人口、ミクロでの影響、ローカルでの対応-(仮題)」2024

    • 著者名/発表者名
      高橋克也・丸山優樹・玉木志穂
    • 学会等名
      政策研研究成果報告会
  • [学会発表] 「食料安全保障における食料品アクセス問題」2024

    • 著者名/発表者名
      高橋克也・丸山優樹
    • 学会等名
      農業経済学会特別セッション・食料政策の新たな展開方向
  • [学会発表] 「中山間地域での移動販売サービスに対する高齢者選好の評価-BWSによる接近-」2023

    • 著者名/発表者名
      丸山優樹・玉木志穂・船津崇
    • 学会等名
      日本フードシステム学会
  • [学会発表] 「中山間地域における食料品アクセス環境について」2023

    • 著者名/発表者名
      髙橋克也
    • 学会等名
      政策研公開シンポジウム「中山間地域における高齢化と人口減少に立ち向かう」
  • [学会発表] 「中山間地域における高齢者の食料品摂取の実態把握」2023

    • 著者名/発表者名
      玉木志穂
    • 学会等名
      政策研公開シンポジウム「中山間地域における高齢化と人口減少に立ち向かう」
  • [学会発表] 「移動販売サービスによる高齢者サポートの実態:多面的役割に着目して」 〃2023

    • 著者名/発表者名
      丸山優樹
    • 学会等名
      政策研公開シンポジウム「中山間地域における高齢化と人口減少に立ち向かう」
  • [学会発表] 「中山間地域における高齢者の「食」と「福祉」のつながり~町民への調査からの一考察~」2023

    • 著者名/発表者名
      玉木志穂・丸山優樹
    • 学会等名
      日野町リノベーションLab研究成果報告会
  • [学会発表] 「食料品アクセス問題の解決に向けた地域住民の意識評価:移動販売車を事例に」2023

    • 著者名/発表者名
      丸山優樹
    • 学会等名
      日野町リノベーションLab研究成果報告会
  • [学会発表] 「高齢者における地域活動への参加状況としあわせの関係」2023

    • 著者名/発表者名
      玉木志穂
    • 学会等名
      日野町リノベーションLabシンポジウム「中山間地域における持続的な地域づくり~鳥取県日野町リノベーションLabでの研究の今とその先へ~」
  • [学会発表] 「食料品アクセス問題の解決に向けた地域住民の意識評価~移動販売車を事例に~」2023

    • 著者名/発表者名
      丸山優樹
    • 学会等名
      日野町リノベーションLabシンポジウム「中山間地域における持続的な地域づくり~鳥取県日野町リノベーションLabでの研究の今とその先へ~」
  • [学会発表] 「目標値を設定することによる野菜摂取量の変化 ―ランダム化比較試験による―」2023

    • 著者名/発表者名
      玉木志穂, 高橋克也
    • 学会等名
      第5回B-ROPs研究会
  • [学会発表] 「目標値を設定したら野菜摂取量は増えるのか?-農林水産省職員の取組-」2023

    • 著者名/発表者名
      玉木志穂
    • 学会等名
      野菜摂取量の見える化の取組 Web セミナー ベジメータ分科会(第2回)
  • [備考] 食料品アクセス問題

    • URL

      https://www.maff.go.jp/primaff/seika/fsc/faccess.html

  • [備考] 食料品アクセスマップ

    • URL

      https://www.maff.go.jp/primaff/seika/fsc/faccess/a_map.html

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公開日: 2024-12-25  

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