研究課題/領域番号 |
22K05872
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
中村 勝則 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (80315605)
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研究分担者 |
角田 毅 東北大学, 農学研究科, 教授 (60355261)
椿 真一 愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (20404204)
長濱 健一郎 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (50442009)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 共同出資 / 自然エネルギー / 潜在的地域資源 |
研究実績の概要 |
持続可能な農村社会に向けて地域資源の有効利用は喫緊の課題となっている中、農業法人が耕作放棄地等の再生・利用、伝統芸能や郷土料理などの復活等に取り組むケースが散見される。本研究の目的は、こうした農業法人による農村地域の遊休あるいは潜在資源の開発行動について、全国な取り組み実態や開発行動の動機、成立条件を明らかにすることである。2022年度は主として秋田県内の農業法人を対象とした聞き取り調査から次のような示唆を得た。 第一に、大規模水田作経営の中には経営耕地面積規模の拡大に伴い、農業用用排水路の保全管理を自ら行う必要からバックホーなどの土木作業用機械を所有するようになっている。近隣の遊休化した農地を農地として利用できるように整備する事業は所有機械の稼働率を向上させ、当該農地の所有者と良好な関係を構築できるメリットがある。 第二に、COVID19の感染拡大やウクライナ戦争等を契機として光熱費が高騰する中、地域に賦存する水力や風力等から電力を調達することにより経営費を抑制する動きがあること。そのためには資金調達が課題であり、他の農業法人や農外企業と連携が求められていること。 第三に、農業経営にとって、農産物を地域内外に販売するだけでなく、地域外からの誘客を生かした事業展開が重要になってきている中、そこで新たに対価を獲得できるのは地域に来なければない固有のモノやコトである。それらは既存の要素市場として成立しているわけではないため、農業法人自ら地域の潜在資源を顕在化するための投資行動に出る可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
以下の理由により「やや遅れている」と判断した。 第一に、初年度に予定していた全国の農業法人を対象とした資源開発状況に関するアンケートをまだ実施できていないためである。ただし、先行して実施した農業法人への聞き取り調査の結果を踏まえて、アンケート調査票を設計を進めている段階である。アンケート調査は1度きりなので慎重に検討している。 第二に、上述した農業法人への聞き取り調査についても、秋田県内の農業法人数社を調査するにとどまったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後、以下の方策により研究の進捗を図っていく予定である。 第一に、初年度に予定していたアンケート調査を2年目に繰り下げる。早い段階で研究推進会議を行うとともに、アンケート調査票を確定し配布・回収・集計を行う。 第二に、アンケートデータをもとに、農業法人による資源開発のパターンを類型化し、ケーススタディの対象を選定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
アンケート調査票設計のための秋田県内の農業法人を対象とした予備的事例調査を優先させたが、新型コロナウィルスの感染拡大等もあり進捗がやや遅れた。その結果、全国アンケートが次年度に持ち越しになったことから次年度使用額が生じた。 次年度は全国アンケートを実施するとともに、その結果をもとに個別経営事例の定点調査を開始する予定である。
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