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2023 年度 実施状況報告書

ため池の希少魚を環境DNAで探査しSNPs解析で計画的に移殖する予防的保全の検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K05882
研究機関宇都宮大学

研究代表者

守山 拓弥  宇都宮大学, 農学部, 准教授 (70640126)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードキタノアカヒレタビラ / SNPs / 集団構造解析
研究実績の概要

ため池は,二次的自然に生息する淡水魚の貴重な生息場である.しかし,防災上の必要性から「ため池特措法」が成立し,絶滅危惧種の生息するため池が防災工事により廃止される懸念が生じている.廃止ため池に絶滅危惧種が生息する場合,別の池への移殖が必要となるが,その手法は確立されていない.そこで本研究は長野県のため池群において,申請者らが同県で分布を初確認した絶滅危惧種のタナゴ類であるキタノアカヒレタビラを対象に移殖方法を検討する.また,防災工事以前に地域に生息する絶滅危惧種を把握し,計画的な移殖で対象魚の生息池を増やす「予防的保全」の手法を検討し,防災と保全の両立を図る.本研究では,SNPs解析により明らかにする遺伝的な集団構造解析に基づく移殖法をそれぞれ検討し,予防的保全計画を策定することを目指す.
現在,長野県内で発見しているキタノアカヒレタビラ生息池(19池)のうち,10池で20個体ずつのサンプリングを終え,MIGseq解析を実施している.現在,解析ソフトpopulationsにより適切なSNP数を解析中である.また,同じく解析ソフトSTRUCTUREにより試行的に解析したところ,概ね水域毎,および集落毎などによりキタノアカヒレタビラの集団構造が説明できる可能性が示唆された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ため池は,二次的自然に生息する淡水魚の貴重な生息場である.しかし,防災上の必要性から「ため池特措法」が成立し,絶滅危惧種の生息するため池が防災工事により廃止される懸念が生じている.廃止ため池に絶滅危惧種が生息する場合,別の池への移殖が必要となるが,その手法は確立されていない.そこで本研究は長野県のため池群において,申請者らが同県で分布を初確認した絶滅危惧種のタナゴ類であるキタノアカヒレタビラを対象に移殖方法を検討する.また,防災工事以前に地域に生息する絶滅危惧種を把握し,計画的な移殖で対象魚の生息池を増やす「予防的保全」の手法を検討し,防災と保全の両立を図る.本研究では,SNPs解析により明らかにする遺伝的な集団構造解析に基づく移殖法をそれぞれ検討し,予防的保全計画を策定することを目指す.
現在,長野県内で発見しているキタノアカヒレタビラ生息池(19池)のうち,10池で20個体ずつのサンプリングを終え,MIGseq解析を実施している.現在,解析ソフトpopulationsにより適切なSNP数を解析中である.また,同じく解析ソフトSTRUCTUREにより試行的に解析したところ,概ね水域毎,および集落毎などによりキタノアカヒレタビラの集団構造が説明できる可能性が示唆された.

今後の研究の推進方策

解析ソフトpopulationsにより適切なSNP数を解析中し,同じく解析ソフトSTRUCTUREにより集団構造を解析予定.この結果を2024年度日本魚類学会大会講演会にて発表を予定している.なお,キタノアカヒレタビラの産卵母貝であるイシガイ類についても同地点にてSNPs解析を実施している.この結果についても順次解析を進める予定.

次年度使用額が生じた理由

旅費支出額が年度末時点で確定されていなかったため旅費予算と旅費支出額との差額が生じたため

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公開日: 2024-12-25  

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