研究課題/領域番号 |
22K05902
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
齋藤 高弘 宇都宮大学, 農学部, 教授 (50221990)
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研究分担者 |
田村 匡嗣 宇都宮大学, 農学部, 助教 (60750198)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 3Dフードプリンター / フードインク / 澱粉含有食品 / 造形精度 / 粘弾性特性 |
研究実績の概要 |
本年度は,加水比の異なる澱粉含有食品ペーストのレオロジー特性および含有成分を測定し,3Dフードプリンタの造形精度に及ぼす影響を解明することを目的とした. 試料には米粉(以下,RF),乾燥マッシュポテト(以下,MPF),そば粉(以下,BF)を用いた.各試料は乾物重に対して3倍,4倍,5倍,6倍の加水比で沸騰水を加え混合し,攪拌機によって沸騰水中で攪拌することでペーストを得た.これらのペースト試料をノズルに充填し,押出方式の3DFPであるFOODINIによって内部が空洞の円柱をプリントしたのちに写真を撮影し,造形精度を評価した.試料の力学的特性は,食感試験機とB型粘度計でテクスチャと見かけの降伏応力を測定することで評価した.見かけのアミロース量は,アミロース簡易比色法を用いて測定した. RF,MPF,BFすべてにおいて加水比の増加に伴って硬さや付着性,粘着力,降伏応力の値は有意に低下し,含水率と力学的特性の連動性が確認された.プリント後の造形物の写真からMPFおよびBFで5倍,RFで3倍の加水比で調製することで高精度造形が可能であることが明らかになった.高精度造形帯より低い加水比で調製した試料は吐出が断続的になり,一方で高い加水比で調製した試料はプリント中またはプリント後に造形物が扁平化した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
フードインク材料として最も汎用性の高い澱粉含有食品を基本材料として,その特性を明確にできたことは評価できる.一方フードインクの普遍的な材料強度指標の開発とそのメカニズムの解析については試行錯誤している段階に留まり,今後一層の展開が望まれる.
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今後の研究の推進方策 |
今後はフードインクの材料強度を示す指標となる降伏応力,さらに相関する可能性のあるレジスタントスターチ量などに焦点をあて,研究展開する.
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次年度使用額が生じた理由 |
レジスタントスターチ分析試薬などの部分について繰越すこととした.
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