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2023 年度 実施状況報告書

植物工場レタス生産における24時間日長、NH4-N施用、培養液pH制御の複合効果

研究課題

研究課題/領域番号 22K05913
研究機関滋賀県立大学

研究代表者

畑 直樹  滋賀県立大学, 環境科学部, 講師 (80571926)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード24時間日長 / アンモニア態窒素 / 培養液pH
研究実績の概要

リーフレタス‘ノーチップ’を供試し、本学人工気象室内で、2週間育苗後、24時間日長下で3週間、循環式の湛液式水耕栽培を行った。培養液として園試処方50%濃度液(NO3-N:NH4-N比率のみ92.5%:7.5%を50%:50%に改変)を用いた。培養液pHをNaOH およびH2SO4の自動添加によって、それぞれ5.5~6.5および6.5~7.5の範囲で維持するpH6.0制御区およびpH7.0制御区と、pH調整剤を用いた自動pH制御を行わずに炭酸カルシウムを添加する区の3処理区を設けた。
収穫時の培養液では、処理区によらず、NH4+は消失し、NO3-濃度は高まっており、NH4+がNO3-に硝化されていることが判明した。栽培途中で培養液pHが上昇し、NaOH添加が停止したのはNH4+濃度の低下を反映し、pH6.0制御区よりもpH7.0制御区と炭酸カルシウム区で硝化が早かった、あるいはその速度が速かったと考えられた。またpH6.0制御区とpH7.0制御区ではNaOHの添加により、培養液のNa+濃度が11~21 mMまで高まり、炭酸カルシウム区では培養液のPO43-濃度が初期の1/30未満にまで低下していることも明らかとなった。3処理区間で生育量に有意差は見られず、この原因として、pH6.0制御区とpH7.0制御区ではNa+過剰、炭酸カルシウム区ではPO43-欠乏が関係している可能性がある。
本研究の結果、pH調整剤としてNaOHを用いてpHを6.0~7.0程度に自動制御しても、炭酸カルシウム添加による制御と比較して生育が促進されるわけではないことが明らかとなった。培養液のpH制御範囲を4~5程度に設定し、pH調整剤の消費量を減らす実験を試みていく必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

初年度に栽培装置の設置が遅れたことと、性能確認に時間を要したことが理由である。

今後の研究の推進方策

2023年度の試験で、培養液pHを6.0以上に制御した際の生育特性ならびに培養液組成変化が明快となった。2024年度の試験では、pH6.0未満の条件においてpH制御することの有効性を検証する。

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公開日: 2024-12-25  

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