研究課題/領域番号 |
22K05923
|
研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
紺屋 秀之 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業機械研究部門, グループ長補佐 (60391512)
|
研究分担者 |
松本 将大 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業機械研究部門, 研究員 (10761918)
藤原 英司 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 上級研究員 (20354102)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | ロボット農機 / 安全センサ / 土壌粒子 |
研究実績の概要 |
ロボット農機がほ場内で稼働中に発生し得る土ぼこりについて、人・障害物センサに影響を与え得る土ぼこり粒子量及び質量濃度調査を農機研テストコース北側ほ場にて実施した。安全センサとしては3DLiDAR(Velodyne製 VPL-16)、パーティクルマスカウンター(柴田科学(株)GT-526S)及び集塵機(農機研製)をロータリ作業中のトラクタの後方を走行する別のトラクターに設置し、トラクタ周辺の土ぼこり捕集試験を行った。 捕集した土ぼこり粒子重量は平均0.37mg/min、質量濃度は平均238.78mg/m3であった。 捕集粒子量については、平均117708個/minであり、その内訳は、0.3μm以上0.5μm未満のものが最も多く、粒子径が大きくなるにつれ、その数が減少する傾向にあった。なお、安全センサ3DLiDARの検出精度については、同時に撮影したカメラおよび目視では土埃は少量であったが、3DLiDARでは誤検出を起こす得る値を確認できた。 今回の試験では、PTO回転数等の機械側の条件は同一であったが、捕集された土ぼこりにおける総粒子量や粒径ごとの個数について試験ごとにばらつきが確認された。これは風速やほ場の局所的な傾斜・硬度の変化が原因と考えられ、今後、より外乱の少ないと考えられるハウス等の施設内での試験を実施しデータ蓄積を行う必要がある。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
購入予定であった土壌粒子捕集装置(ハイボリュームエアサンプラー)が半導体不足に起因する生産停止という製造メーカー都合により、購入できずに代替装置としての集塵機を準備・調整するのに時間を要し、当初の予定よりもほ場試験回数を確保することが困難であった。また、実際の試験においても試験環境やほ場条件等の外乱の影響により試験データにバラツキが生じたことから試験方法の再検討にも時間を要した。
|
今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、LiDAR等のセンサに影響を与える土壌粒子の物性と飛散状態を定量化するためにほ場試験にてデータ蓄積を行う。具体的には、土壌粒子の飛散を発生させるため、土壌表層が乾いた状態のほ場に対して、トラクタや送風機を用いて土壌粒子を飛散させ、その際に、安全センサ、ハイボリュームエアサンプラ(土壌粒子の捕集)、パーティクルマスモニタ(土壌粒子の質量濃度を計測)等を、高さを変えてほ場に設置し、センサ情報と土壌物性値を取得して、センサに影響を与える土壌粒子の物性条件を定量化する。また、対象とする安全センサは、LiDARの他にも複数供試する予定ではあるが、LiDARへの影響把握を主とする。また、将来的に人工的に土壌粒子の飛散を発生させる再現装置を開発することを目的として土壌粒子の代替が可能な物質を選定し、その有効性を検証する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
R4年度はコロナ影響等により複数回の現地試験を実施することが困難であり、予定していた旅費を使用しなかった。またR4年度に購入予定であった土壌粒子捕集装置(ハイボリュームエアサンプラー)が半導体不足に起因する生産停止という製造メーカー都合により、購入できなかった。 R5年度は複数回の現地試験を実施し、土壌粒子捕集装置、土壌粒子の代替が可能な物質を購入予定である。
|