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2023 年度 実施状況報告書

リゾホスファチジン酸による未成熟卵胞の発育制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K05957
研究機関秋田県立大学

研究代表者

横尾 正樹  秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (10396541)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードリゾホスファチジン酸 / LPA / 卵巣 / 卵胞発育 / マウス
研究実績の概要

哺乳動物の卵巣内には十数万から数十万個の大量な卵子(卵胞)が存在しているにも関わらず,性成熟後に排卵する卵子はそのごく一部で,ほとんどの卵子は排卵に至ることがない。卵巣内卵胞の大部分が原始卵胞や一次卵胞のような未成熟卵胞であるが,その発育制御機構の詳細は不明である。申請者の研究グループでは,生理活性脂質であるリゾホスファチジン酸(LPA)が器官培養したマウス卵巣内の未成熟卵胞を人為的に発育促進することを発見し,その一連の研究成果から生体内の未成熟卵胞の発育制御機構にもLPAが関与していることが示唆された。そこで本研究では,マウス生体卵巣内の未成熟卵胞の発育制御機構におけるLPAシグナリングの関与を明らかにすることを目的としている。令和4年度では,LPA-LPAR3シグナルが未成熟卵胞の発育に関与していることを明らかにしたが,令和5年度では,卵巣への物理的刺激(断片化刺激)がLPA-LPAR3シグナルに及ぼす影響を調査した。断片化処理した卵巣ではCCN成長因子(CCN2)の遺伝子発現が上昇するが,LPAR1およびLPAR3の作用を阻害する薬剤(Ki16425)を使用したところ,CCN2遺伝子発現の上昇は有意に抑制された。一方,LPAR1の特異的機能阻害剤(AM095)を使用してもCCN2発現の上昇は抑制されることはなかった。したがって,物理的刺激によって活性化される卵巣内未成熟卵胞の発育にもLPA-LPAR3シグナルが関与している可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまで,卵巣における未成熟卵胞発育にLPA-LPAR3シグナルが関与していることを明らかにし,それが卵巣組織の損傷と修復によっても誘起される可能性が確認できた。ここまでは,順調に進展していると判断できる。

今後の研究の推進方策

生体内卵巣におけるLPA合成経路および未成熟卵胞に及ぼすLPA-LPAR3シグナルの影響を調査することで,マウス生体卵巣内の未成熟卵胞の発育制御機構におけるLPAシグナリングの関与を明らかにする。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 日本短角種雌牛の分娩予測のための体表温測定部位の検討2024

    • 著者名/発表者名
      3.横尾 正樹,平野 佐羽,伊藤 謙,小沢 聡恵,布谷 未帆,山中 麻帆,佐藤 勝祥,渡邊 潤.
    • 雑誌名

      東北畜産学会報

      巻: 73 ページ: 1-8

    • 査読あり
  • [学会発表] 多血小板血漿(PRP)投与によるウシの卵胞活性化の試み2023

    • 著者名/発表者名
      小林 仁、森本 素子、横尾 正樹、河村 和弘
    • 学会等名
      日本畜産学会第 131 回大会
  • [学会発表] チャイロコメノゴミムシダマシ の 形態変化が 成分 に与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      山中麻帆,奥野紗千佳,横尾正樹,佐藤勝祥,渡邊潤,平山琢二
    • 学会等名
      日本畜産学会第 131 回大会
  • [学会発表] 新規穿刺デバイスによるウシの卵胞活性化と卵胞数および性ホルモン濃度の推移2023

    • 著者名/発表者名
      小林 仁,長谷川昇司,森重大作,渥美孝雄,横尾正樹,森本素子,池内真志,河村和弘
    • 学会等名
      第7回日本胚移植技術研究会
  • [学会発表] マウスへのラズベリーケトン経口投与による体重変化及び筋線維型への影響2023

    • 著者名/発表者名
      岩井 隆太朗,奥山 飛龍,横尾 正樹,渡邊 潤,山中 麻帆,佐藤 勝祥
    • 学会等名
      第72回東北畜産学会

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公開日: 2024-12-25  

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