現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度は、子宮内膜組織から全RNAを回収してmiRNAのシークエンス解析を行った。その結果、各時期に特異的に発現するmiRNAを同定することができ、リアルタイムqPCR解析によってその発現動体を確認している。今年度は各時期に特異的なmiRNAの詳細な解析(TPM変換、GO解析)を行い、差異miRNAをリスト化した。その結果、計43個の時期特異的な差異miRNAを特定し、TPM値の高いものからそのうちの7個のmiRNA(miR-34a, miR-125b, miR-204, miR-376c, miR-449a, miR-450b, miR2411-3p)について解析した。今後は残りの差異miRNAについても解析を行う予定である。 一方、細胞外小胞中(EV)のmiRNAに関して差異miRNAのリアルタイムqPCR解析を行ったが、明確な差は認められず再検討する必要があることが示唆された。その理由として、内因性コントロールとして用いたU6の発現が、子宮内膜組織と異なり、EV中では安定しないことが挙げられる。また、miRNAの発現が子宮内膜組織とEV中で異なっている可能性も考えられるが、これにはどの時期でも安定してEV中に発現しているmiRNAを同定する必要がある。 さらに、マトリゲル内培養による腺上皮細胞モデルを用いてmiRNAの発現制御機構を明らかにする計画である。腺上皮細胞モデルの作製方法はすでに確立しているが、ウシ胎仔血清(FBS)中に含まれるExoが障害となる可能性が示唆される。この対策としてExoフリーのFBSを用いる予定であるが、BSAの利用や無血清培養などより簡便な方法についても検討する。
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